カレントテラピー 33-6 サンプル

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84 Current Therapy 2015 Vol.33 No.6620デバイスには,pMDIとドライパウダー吸入器(drypowder inhaler:DPI)がある.DPI製剤は自力で吸う必要があるため,ある程度の吸入速度(60L/分)が求められ高齢者では満たしていない場合も少なくない.一方で,pMDI製剤は噴霧のタイミングと合わせる必要がある.また,タイミングを合わせるのが困難な場合にはスペーサーを使用する必要がある.pMDI製剤としてはキュバールR,オルベスコRやフルタイドRがあり,DPI製剤としてはパルミコートR,フルタイドR,アズマネックスRがある.また,粒子径はキュバールR,オルベスコRが小さく,アズマネックスRはDPI製剤のなかでは最も小さい.吸入回数はオルベスコRが1日1回の吸入であり,他の製剤は1日2回の吸入が必要である.副作用としては,咳嗽,咽頭刺激,嗄声,口腔内カンジダ症があり,嗄声や口腔内カンジダ症の予防のため,吸入後はうがいを施行する.うがいでも嗄声の改善が乏しい場合はスペーサーの使用やDPI製剤はpMDI製剤に比較し嗄声の頻度が多いため,pMDI製剤への変更も検討する必要がある.また製剤特有の副作用として,pMDI製剤には冷却フロンによって咳嗽が誘発されるコールドフレオン現象を認めるため,スペーサーの使用やDPI製剤への変更も検討する必要がある12).咳喘息の治療として,数カ月ごとに症状を評価し,ほぼ無症状であればICS以外の長期管理薬を漸減し,さらにICS量を半減していく.1~2年後にICS低用量で無症状であれば中止を検討するが,再燃のリスクは残る1).4 抗アレルギー薬1)ヒスタミンH1受容体拮抗薬ヒスタミンと拮抗的にH1受容体に作用することにより,血管透過性および平滑筋収縮に関与する.また薬理学的特性から第一世代,第二世代に分離され,第二世代は第一世代に比較し特異的なH1レセプター拮抗やケミカルメディエーター遊離抑制作用を有するといわれている.副作用としてヒスタミンは覚醒に重要なメディエーターであり,ヒスタミンを抑制することで傾眠傾向を引き起こす.近年,自覚のない集中力の低下(インベアードパフォーマンス)が話題となっており,脳内での抗ヒスタミン薬によるH1受容体占拠率で評価される.H1受容体占拠率が50%以上を鎮静性,20~50%を軽度鎮静性,20%以下を非鎮静性に分類しており,各薬剤の詳細は表3に示す13).またアトピー咳嗽の第一選択薬として有効であるが,有効率は60%ほどといわれており,ICSや全身性ステロイドが必要な場合が少なくない.The AmericanCollege of Chest Physicians(ACCP)で新たに提示された上気道咳症候群(upper air way cough表3 抗ヒスタミン薬の眠気一般名主な商品名販売開始年使用成績調査対象症例数(成人)副作用として眠気が起きた頻度(%)添付文書における自動車の運転等危険を伴う機械の操作に関する記載内容脳内H2受容体占有率からみた鎮静性ケトチフェンフマル酸塩ザジテンR 1983年21,170 4.4 操作には従事させない鎮静性アゼラスチン塩酸塩アゼプチンR 1986年14,365 0.1~5%未満操作には従事させない軽度鎮静性オキサトミドセルテクトR 1987年8,188 4.8 操作には従事させない鎮静性エメダスチンフマル酸塩レミカットR 1994年14,168 6.3 操作には従事させないエビナスチン塩酸塩アレジオンR 1994年8,443 1.21 操作の際には注意非鎮静性エバスチンエバステルR 1996年8,349 1.7 操作の際には注意非鎮静性セチリジン塩酸塩ジルテックR 1998年5,759 2.6 操作には従事させない軽度鎮静性(20mg),非鎮静性(10mg)ベポタスチンベシル酸塩タリオンR 2000年4,453 1.3 操作の際には注意非鎮静性フェキソフェナジン塩酸塩アレグラR 2000年6,809 2.3 (記載なし) 非鎮静性オロパタジン塩酸塩アレロックR 2001年9,602 7.0 操作には従事させない非鎮静性ロラタジンクラリチンR 2002年1,653 6.35 (記載なし) 非鎮静性レボセチリジン塩酸塩ザイザルR 2010年5,759(セチリジンデータ)2.6 操作には従事させない非鎮静性〔参考文献13)より引用改変〕