カレントテラピー 33-4 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.4 75393Ⅱ 「健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~」の概要第1条.良い睡眠で,からだもこころも健康に.①良い睡眠で,からだの健康づくり②良い睡眠で,こころの健康づくり③良い睡眠で,事故防止第1条では,睡眠指針2014の総論を記している.生活習慣病は日々の生活習慣と深く関連することが知られている.睡眠習慣も食事,運動,飲酒,喫煙など他の生活習慣と同様に人の健康と関係しており,疾病との関連性については,より強固なエビデンスが蓄積されてきた.さらに,睡眠問題を抱えた生活では,疲労感や注意力低下,日中の眠気や意欲の減退など心身の症状を伴うため,産業事故や交通事故を誘発する危険性が高まることが示されている.良い睡眠をとることは,からだとこころの健康を保つうえで重要であることを認識し,自らの睡眠習慣をよりよくしていくことが大切である.第2条. 適度な運動,しっかり朝食,ねむりとめざめのメリハリを.① 定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす②朝食はからだとこころのめざめに重要③睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする④就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける第2条では,健康づくり推進のために包括的な取り組みが必要であることを述べている.定期的な運動習慣や規則正しい食習慣は,健康づくりのうえでも,睡眠にとっても好ましいものと考えられている.運動習慣のあるものでは入眠困難や中途覚醒の有訴率が低いことが示されている.また,朝食にある程度の量を摂取することは,からだとこころを目覚めさせるうえで大切であることも知られている.逆に寝酒習慣は睡眠時無呼吸を悪化させるなど,睡眠を妨げる作用を有することが知られている.同様に就寝前の喫煙やカフェイン摂取では,入眠困難や睡眠の質の悪化をまねくことが指摘されている.第3条. 良い睡眠は,生活習慣病予防につながります.①睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める②睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる③肥満は睡眠時無呼吸のもと第3条では,睡眠と生活習慣病との関連について記している.多くの疫学研究の結果,短い睡眠時間や不眠症は,肥満,高血圧,耐糖能障害,循環器疾患,メタボリックシンドローム発症の危険性を高めることが示されている.睡眠問題を早期に発見し,適切に対処することは,多くの生活習慣病の発症や重症化の予防につながる可能性がある.加えて,(閉塞性)睡眠時無呼吸やその症状の一つであるいびきは,生活習慣病(高血圧,糖尿病,歯周疾患,心房細動,脳卒中,虚血性心疾患,突然死等)の発症において,独立した危険因子であることが示されている.さらに,過体重および肥満が睡眠時無呼吸の発症・悪化に影響を及ぼしていることが明らかにされている.第4条. 睡眠による休養感は,こころの健康に重要です.① 眠れない,睡眠による休養感が得られない場合,こころのSOSの場合あり② 睡眠による休養感がなく,日中もつらい場合,うつ病の可能性も第4条は,睡眠とこころの休養との関連を記している.こころの健康には,睡眠による休養感が強く影響する.睡眠の満足度や主観的な睡眠時間,睡眠による休養感などの主観的指標は,こころの健康とより強く関連することが示されている.そして睡眠による休養感の欠如は,身体機能や認知機能,感情と関係することが知られている.うつ病の場合,ほとんどの患者において,身体症状とともに睡眠障害を呈することが報告されている.さらに不眠は,抑うつを促進する恐れも指摘されており,不眠症状を改善することは,うつ病などの発症を予防するうえ