カレントテラピー 33-3 サンプル page 27/36
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カレントテラピー 33-3 サンプル
Current Therapy 2015 Vol.33 No.3 77治療薬解説295薬剤との併用で,エドキサバンの吸収が上昇して血中濃度が上昇する.P糖蛋白阻害作用を有する薬剤としては,キニジン,ベラパミルなどの抗不整脈薬の一部や,エリスロマイシン,イトラコナゾールなどが知られており,これらの薬剤との併用時には減量しての使用が推奨されている.Ⅲ 非弁膜症性心房細動に対するエドキサバン:第Ⅱ相試験エドキサバンの第Ⅱ相試験については,欧米において図2に示すように用量設定試験が行われた3).このうち60mg 1日2回群はワルファリンより大出血+臨床的に重要な出血の率が高いため早期中止となった.図33)には各群の出血率を示しているが,重要なのは1日用量が同じ60mgを1日1回と30mg1日2回の比較である.同じ用量でも1日1回ではワルファリンと差がないが,1日2回にすると出血率が増加している.PKパラメータを見るとこの2群でAUCはほぼ同じであるが,Cminは異なり,出血率はCminと相関しているようである(図4)3).この結果を受け,日本では30,45, 60mg 1日1回とワルファリンの比較第Ⅱ相試験が行われた4).その結果,体重が60kgより軽い患者では60kg以上の患者より出血が有意に多いこと,60kgより軽い患者の30mgと60kg以上の患者の60mgでほぼ出血リスクが同等であることが示された(図5)4).Warfarin8 250Bleeding Incidence( %)3.0%30 mg QD 60 mg QD 30 mg BID 60 mg BIDEdoxaban3.2%1816141210864203.8%7.8%*10.6%***p=0.029, **p=0.002 vs. warfarin7 235 9 234 19 244 19 180図3第Ⅱ相試験における大出血+臨床的に重要な出血の頻度BID:1日2回,QD:1日1回〔参考文献3)より引用改変〕Cmax,ss AUCss Cmin,ss300250200ng/mLng/mLng*/mL1501005004,0003,0002,0001,00015010050030 mgQD60 mgQD30 mgBID60 mgBID30 mgQD60 mgQD30 mgBID60 mgBID30 mgQD60 mgQD30 mgBID60 mgBID図4第Ⅱ相試験における用法用量と薬物形態BID:1日2回,QD:1日1回〔参考文献3)より引用改変〕