カレントテラピー 33-3 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.3 35心房細動の治療2532 リスクに応じた抗凝固療法本ガイドラインではNOACのワルファリンに対する優越性を考慮に入れて,NVAFに伴う脳梗塞予防では,まずNOACを考慮するように勧めている(図4)1).1)CHADS2スコア2点以上の場合各NOAC第Ⅲ相試験にはCHADS2スコア2点以上の症例が多数含まれており,その対象症例でワルファリンに対する優越性が示されたため,すでにエビデンスが確立していたワルファリンに加えてすべてのNOACが「推奨」とされるとともに,ワルファリンよりNOACの投与をまず考慮するようにとの但し書きが付記されている.2)CHADS2スコア1点の場合ダビガトランとアピキサバンの第Ⅲ相試験はCHADS2スコア1点の症例を約3割含んでおり,全体解析でも,CHADS2スコア1点でのサブ解析においてもワルファリンに対して優れた結果が示されたためCHADS2スコア1点で「推奨」とされた.しかし,リバーロキサバンとエドキサバンの第Ⅲ相試験ではCHADS2スコア1点の症例が対象に含まれていなかったため,全体解析では優れた特質が示されたが,CHADS2スコア1点を対象とした直接のエビデンスがないので,CHADS2スコア1点では「推奨」でなく「考慮可」との記載にとどめられている.またワルファリンは,CHADS2スコア1点では大出血や頭蓋内出血のリスクと脳梗塞予防効果のリスク・ベネフィットが拮抗し,投与による益を得られるエビデンスが明らかでないことから「考慮可」とされている.3)CHADS2スコア0点の場合脳梗塞のその他のリスクに注目し,心筋症,年齢65~74歳,血管疾患(心筋梗塞の既往,末梢動脈疾患,大動脈プラークなど)のいずれかに該当する場合は,いずれかの抗凝固療法を考慮することができる.あえて抗凝固療法を行うならNOACを考慮する.ダビガトランリバーロキサバンアピキサバンエドキサバン分子量472 436 460 738作用の可逆性可逆的可逆的可逆的可逆的生物学的利用率6.5% ほぼ100%** 49% 60%蛋白結合率35% 92~95% 87% 40~50%カプセル/錠剤カプセル錠剤錠剤錠剤プロドラッグYes No No No血中濃度ピーク到達時間0.5~4時間2~4時間1~4時間1~1.5時間半減期11~12時間9~13時間8~15時間6~11時間腎臓での代謝80% 66% 25% 35%特異的中和剤第Ⅸ因子複合体* 可能性可能性可能性可能性抗体製剤開発中- - -低分子化合物- 開発中開発中開発中内服方法150mg BID 15mg QD 5mg BID 60mg QD110mg BID 10mg QD 2.5mg BID 30mg QD15mg QD本邦での適応と発売年月非弁膜症性心房細動2011年3月2012年4月2013年2月2014年9月整形外科術後の静脈血栓予防- - - 2011年7月深部静脈血栓の治療と予防- - - 2014年9月メーカーベーリンガーインゲルハイムバイエルブリストル・マイヤーズ スクイブ/ファイザー第一三共表2新規経口抗凝固薬の比較*:保険適応外.**:食後内服の場合.