カレントテラピー 33-2 サンプル

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98 Current Therapy 2015 Vol.33 No.2190いる,の4項目で構成された.第3の因子は,7)思い出やこれからのことを話す相手がいる,8)おいしく食べられるものがある,5)楽しみになるようなことがある,の3項目,第4の因子は,2)人として大切に扱われていると感じている,3)充実した人生だったと感じている,の2項目であった.「今の病状ならば入院するよりも在宅生活を続けたいと思っている」という項目と同じ因子を構成するのは,医療・看護・介護のサービスとその提供場所に関連する項目であり,在宅で提供される医療・看護・介護のサービス提供者への信頼やサービスの充実が,在宅での生活を続けることへの希望と関連していることがわかる.一方,介護者の回答について同様に因子分析を行うと,3つの因子に分類され(表5),第1の因子は,11)落ち着いた環境で過ごせている,2)人として大切に扱われていると感じている,10)望んだ療養場所で過ごせている,1)穏やかな気持ちで過ごせている,7)思い出やこれからのことを話す相手がいる,6)家族,友人との時間を十分に持てている,13)今の病状ならば入院するよりも在宅生活を続けたい,の項目で構成された.14)介護サービスや在宅診療(看護)に満足している,3)充実した人生だったと感じている,9)医師・看護師・療法士を信頼している,の3項目が第2の因子を,12)トイレには困っていない,5)楽しみになるようなことがある,4)体の苦痛がなく過ごせている,8)おいしく食べられるものがある,の4項目が第3の因子を構成した.「今の病状ならば入院するよりも在宅生活を続けたい」の項目とは,本人の評価,介護者の評価とも,11)落ち着いた環境で過ごせている,10)望んだ療養場所で過ごせている,の2項目が同じ因子に分類されたが,ほかは異なる項目と同じ因子を形成していた.特に,患者本人は,提供される医療・看護・介護のサービスやそのサービスの提供者への信頼感が,「今の病状ならば入院するよりも在宅生活を続けたい」という希望と関連していたのに対し,介護者の評価による「患者が今の病状ならば入院するよりも在宅生活を続けたいと思っているだろう」という推測には,生活における精神的な満足感・充実感の評価との関連が強いようであり,興味深いと思われた.われわれが,今回新たに作成した在宅医療を受ける患者のQOL評価のための評価票は,患者本人評価・主介護者の評価ともに,内的整合性がとれていた.また,患者本人の評価と主介護者の評価は,個々の評価については,やや異なる部分があるようであるが,おおむねの全体的な評価としては主介護者の評価も大きなずれは認められなかった.今回の検討は,患者・介護者ともに評価可能なペアでの検討であり,そもそも自己評価不可能な患者のQOLを主因子1 2 311)落ち着いた環境で生活.861 .223 .1332)人として大切に扱われている.588 .177 .10410)望んだ療養場所で生活.585 .061 .1021)穏やかな気持ちで生活.526 .378 .2807)人生について話す相手がいる.473 .071 .2996)家族等との十分な時間が確保.458 .304 .36313)在宅生活継続を希望.399 .264 .02114)在宅支援サービスに満足.089 .995 -.0203)充実した人生だった.348 .544 -.0259)医師等を信頼している.122 .320 .08612)トイレに困っていない.041 -.077 .6115)楽しみになるようなことがある.245 .125 .5624)体の苦痛がない.196 .165 .4168)おいしく食べられる物がある.021 -.005 .395表5因子分析の結果(介護者回答)