カレントテラピー 33-2 サンプル

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Current Therapy 2015 Vol.33 No.2 45今後の在宅医療の方向性137後者については,急速に進行するがん患者において,在宅看取りが難しかった.OPTIMでも個別のレベルで,症状緩和の難しいケースや急な病状の変化への対応が難しい可能性を述べているが,在宅緩和ケアの残された課題のようにも思える.EOLケアチームが連携する機会の多い,国立長寿医療研究センターの在宅連携医療病棟でも,非がん・高齢者疾患に比べ,がん患者での在宅看取り率が伸びない傾向にある.私見も交えての発言を許していただければ,皆が手と手をとって行う均てん化された在宅緩和ケアの推進は重要であるが,個々のレベル,特に医療依存度の高い,一部のがん患者のような急激な症状の変化をきたす疾患への対応においては,病院外の地域に高度な一体感とチーム連携をもつ在宅緩和ケア拠点が必要であるように思われる3),4).2 意思決定支援について意思決定支援については,非がん・高齢者疾患においてよりニーズが高かったが,がん患者においても重要であった.前者については,依頼の約20%を占める認知症フレイル高齢者の,人工栄養の選択等にかかる意思決定支援が重要であった.また,人工呼吸の選択にかかる意思決定支援も重要であった.さらに,これらに関連して,人生の最終段階をどこで過ごすか,どこで最期を迎えるかという意思決定支援も重要であった.これらについては,多くの臨床医家においては,2007年に厚生労働省が策定した『終末期医療における意思決定プロセスに関するガイドライン』に従って意思決定の手続きを進めていくことが推奨されているが,残念ながら認知症のため患者の意思を直接確認することが難しい事例も多く,病院においても,在宅においても困難な問題として残っている.認知症・フレイル等により,本人の意思の反映が難しいことに起因して生じる,精神的,社会的,ス院内エンドオブライフ(EOL)ケアチーム[実績]=非がん・高齢者疾患も含めた緩和ケアチーム601581911781031086374意思決定家族ケア精神的苦痛身体的苦痛1926427271痛み嚥下困難食思不振痰呼吸困難(意思決定支援の例)人工栄養選択 現在の人工栄養選択・胃瘻・経鼻胃管・中心静脈・末梢静脈栄養・皮下輸液・人工栄養は行わない・経口摂取(お楽しみ程度)・非経口摂取(看取り方向)将来の人工栄養選択48件38件6件2件1件13件0件14件2件10件多施設共同臨床試験非がん性呼吸困難に対するモルヒネの有効性と安全性依頼件数402件(介入件数394件)平成25年9月30日までの2年間(専従モデル)非がん:約40%(148件) がん:約60%(246件)全国の緩和ケアチームでは非がん3%全国への展開非がんがん[件数][件数]人生最終段階における医療にかかる相談員研修のプログラム案を作成・終末期医療の決定 プロセスに関する ガイドライン・人工栄養・人工呼吸や透析・療養の場所・最期の場所図2 EOLケアチームの実績ー全国の動きとの関係ー〔参考文献5)より引用改変〕