カレントテラピー 33-12 サンプル

カレントテラピー 33-12 サンプル page 6/40

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 33-12 サンプル の電子ブックに掲載されている6ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 33-12 サンプル

Current Therapy 2015 Vol.33 No.12 91151Ⅲ 心不全入院患者の増加とその特徴米国からは心不全入院患者の動向を分析した研究が相次いで報告されている4)~6).National HospitalDischarge Survey Dataを用いたFangらの研究では,1979年から2004年の間に,ACC/AHA heart failureperformance measuresの診断コードを用いて,主要診断が心不全であった入院患者(primary diagnosis)と,何らかの主要疾患に心不全が合併した入院患者(secondary diagnosis)の推移を分析した結果,双方ともに年々増加し続けていることが示された(図3)4).加えて,心不全がsecondary diagnosisであった入院患者の主要診断のうち,呼吸器疾患,非心血管・非呼吸器系疾患の割合が年々増加していることも明らかとなっている.また,別のデータベースを用いた分析結果においても,secondary diagnosisとしての心不全入院が増加しており,特に心不全を合併する傷病名として,不整脈,慢性閉塞性肺疾患(chronicobstructive pulmonary disease:COPD),急性腎不全の増加が挙げられている6).さらに,心不全がprimary diagnosisであった入院患者と,secondarydiagnosis の入院患者の予後を,3つの調査期間別に比較すると,いずれの調査期間においてもsecondarydiagnosisの入院患者の死亡率が高く,入院期間も長かった.これらの結果は,心不全患者の予後の改善には,心不全に対する治療のみならず,合併疾患や非心血管系疾患に対する治療を含めた集学的・多面的介入が必要であることを示している.資料:UN, World Population Prospects:The 2010 Revisionただし日本は,2010年までは総務省「国勢調査」,2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果による.(注)先進地域とは,北部アメリカ,日本,ヨーロッパ,オーストラリアおよびニュージーランドからなる地域をいう.開発途上地域とは,アフリカ,アジア(日本を除く),中南米,メラネシア,ミクロネシアおよびポリネシアからなる地域をいう.日本 (23.0)イタリア (20.4)スウェーデン (18.2)スペイン (17.0)ドイツ (20.4)フランス (16.8)イギリス (16.6)アメリカ合衆国 (13.1)先進地域 (15.9)開発途上地域 (5.8)日本 (23.0)中国 (8.2)インド (4.9)インドネシア (5.6)フィリピン (3.6)韓国 (11.1)シンガポール (9.0)タイ (8.9)先進地域 (15.9)開発途上地域 (5.8)0510152025303540451950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060(%)(年)0510152025303540451950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050 2060(%)(年)(2010年) (2010年)実績値推計値実績値推計値1.欧米2.アジア図1 世界の高齢化率の推移〔参考文献1)より引用改変〕