カレントテラピー 33-12 サンプル

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82 Current Therapy 2015 Vol.33 No.121224加投与の有効性が認められたインパクトは大きいと考えられる.しかしながら,β遮断薬を使用しても心拍数が70拍/分以上あり,投与量がいまだ不十分だったのではないかという議論も残る.2 ランジオロール1)薬理学的特徴ランジオロールは,頻脈性不整脈合併心不全に対して本邦で使用可能な静注β遮断薬である.主に心臓に分布するβ1受容体に結合し,ノルアドレナリンおよびアドレナリンによる心拍数増加作用に拮抗することで用量依存的に徐拍効果を呈する9).また,高いβ1受容体選択性をもち,そのβ1遮断作用はβ2遮断作用の277倍である10).膜安定化作用および内因性交感神経刺激作用はなく,肝臓および血漿中で加水分解され,速やかに代謝される.血中半減期は3.47分とされ,海外で多く使用されている短時間作用型β遮断薬エスモロールの9分より,さらに短いのが特徴である11).肝臓での主たる代謝酵素はカルボキシエステラーゼ,血漿中における代謝酵素は偽コリンエステラーゼであり,そのクリアランスには,肝が約50%,血漿が約50%寄与していると考えられている.本剤は既存のβ遮断薬と異なり,β1選択性に優れていることから呼吸機能の悪化を引き起こす可能性が低く,また半減期が短いことから過度の心機能抑制や徐脈遷延の懸念が少ないとされる.さらにイヌやウサギを用いた研究でも,10μg/kg/分までは血圧低下をきたしにくいことが報告されている9),12).Number at riskプラセボ群Ivabradine群HR 0.82(95%CI 0.75-0.90),p<0.0001Ivabradine(793イベント)プラセボ(937イベント)HR 0.74(95%CI 0.58-0.94),p=0.014Ivabradine(113イベント)プラセボ(151イベント)HR 0.74(95%CI 0.66-0.83),p<0.0001Ivabradine(514イベント)プラセボ(672イベント)Number at riskプラセボ群Ivabradine群0102030A:心血管死および心不全増悪による入院400 6 12 18 24 303,2643,2412,8682,9282,4892,600月月2,0612,1731,0891,1914394473,2643,2412,8682,9282,4892,600月2,0612,1731,0891,1914394470102030B:心不全増悪による入院0 6 12 18 24 300510C:心不全死0 6 12 18 24 303,0943,0853,2643,2412,8172,8182,3912,4281,3181,376534531心イベント発生率心イベント発生率心イベント発生率図4 SHIFT試験:ivabradineと心イベント〔参考文献7)より引用改変〕