カレントテラピー 33-1 サンプル

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26 Current Therapy 2015 Vol.33 No.126胞内へ流入したグルコースは血管側に存在するGLUTによる受動輸送により血液中に戻される(図2).現在,SGLTは6種類のアイソフォームが知られているが,このうち糸球体近傍の近位曲尿細管(segment 1)にはグルコースのみを運搬するSGLT2が,より遠位に位置する近位直尿細管(segment 3)にはグルコースとガラクトースを運搬するSGLT1が発現しており,それぞれ生体の恒常性維持にとって理に適った特性を有している.SGLTのグルコース親和性とグルコース輸送能の検討9)において,SGLT2のグルコース親和性はSGLT1(Km値:0.35mM)と比べて低い(Km値:1.64mM)が,グルコース最大輸送能(Jmax値:83pmol/分/mm)はSGLT1(Jmax値:7.9pmol/分/mm)よりも高いとの報告がある.また,1個のグルコースを輸送するのに必要なナトリウムはSGLT1が2個であるのに対しSGLT2は1個と,SGLT2のほうがATP消費は少ない10).つまり,SGLT2はグルコースに対し低親和性(low-affinity)であるものの,大量のグルコースを少ないエネルギー消費で輸送(high -capacity)するのに適している.一方,SGLT1はグルコース輸送能こそ低い(low-capacity)もののグルコース高親和性(high-affinity)のため,尿細管グルコース濃度が低濃度でも再吸収可能である.このように,グルコース濃度の高い原尿がまず到達するSGLT2によりグルコースの大部分(80~90%)は再吸収され,SGLT2で再吸収できなかった残り(10~20%)のグルコースがSGLT1により再吸収される仕組みになっている.げっ歯類での検討において,Vallonらの検討11)では,野生型マウスにおいて,ボウマン嚢近傍の近位尿細管で約80%,より遠位部の近位尿細管で残り約20%が再吸収され,糸球体濾過されたグルコースの約100%が再吸収されている.それに対し,SGLT2-/ -マウスの場合,ボウマン嚢近傍の近位尿細管での吸収はほぼなく(0.2%),より遠位部の近位尿細管にて約20%が再吸収されたのみであった.このことは,SGLT2がボウマン嚢近傍の近位尿細管での尿糖再吸収のすべてを担っていることを示唆する.また,SGLT1-/ -マウスを用いた検討12)では,糸球体濾過されたグルコースの3%が再吸収されなかったのみであった.Ⅳ 高血糖に伴う尿糖再吸収能の変化アロキサン13)もしくはストレプトゾトシン14)誘発にSGLT2GULT2グルコースグルコース2K+Na+Na+/K+ ATPaseポンプNa+/K+ ATPaseポンプ尿細管腔間質腔3Na+SGLT1GULT1グルコースグルコース2K+2Na+尿細管腔間質腔3Na+近位曲尿細管(Segment 1) 近位直尿細管(Segment 3)図2 腎近位尿細管細胞におけるグルコースの二次性能動輸送(SGLT1/2)と受動輸送(GLUT1/2)