カレントテラピー 32-9 サンプル

カレントテラピー 32-9 サンプル page 8/32

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 32-9 サンプル の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 32-9 サンプル

Current Therapy 2014 Vol.32 No.9 11脂質異常症の診断意義843ンと各々結合することでTGとなる.脂肪酸は,体内においてエネルギー源として消費されるが,余剰分のエネルギーについては体内で再度TGとして貯蔵される.脂肪酸には,炭素(C)の鎖長,Cの二重結合の有無,二重結合の数,およびその位置によってさまざまな種類が存在する.また二重結合の有無によって,飽和脂肪酸(二重結合なし)と不飽和脂肪酸(二重結合あり)に分類される.飽和脂肪酸にはラウリン酸(C12:0),ミリスチン酸(C14:0),パルミチン酸(C16:0),ステアリン酸(C18:0)などがあり,食品としてはバターやラードなどの動物性脂肪に多い.一方,不飽和脂肪酸には,二重結合が1カ所ある一価不飽和脂肪酸と二重結合が2カ所以上ある多価不飽和脂肪酸が存在する.さらに多価不飽和脂肪酸にはn - 6系脂肪酸とn - 3系脂肪酸がある.一価不飽和脂肪酸にはオレイン酸(C18:1)があり,オリーブ油に含まれる.多価不飽和脂肪酸のうち,n - 6系脂肪酸にはリノール酸(C18:2),アラキドン酸(C20:4)などがあり,n - 3系脂肪酸にはα - リノレン酸(C18:3),エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5),ドコサヘキサエン酸(DHA)(C22:6)などがある.EPA,DHAに関しては,主として魚油に含まれている.Ⅵ non HDLコレステロールについて高TG血症を合併するとき,特にTGが400 mg/dL以上のときには,non HDLコレステロールを評価の指標にする必要が出てくる.non HDLコレステロールは下記の式で求められる.non HDLコレステロール=総コレステロール-HDLコレステロールnon HDLコレステロールは,レムナントリポ蛋白などの動脈硬化惹起性リポ蛋白をすべて含むので,動脈硬化予知マーカーとして優れている.高TG血症が存在すると,LDLコレステロールの評価としてFriedewald式を用いることもできず,直接法によるLDL測定にも正確さの問題が生じるため,non HDLコレステロールを評価として用いる有用性は高い.non HDLコレステロールの管理目標値は,LDLコレ表2 Frederickson分類表現型Ⅰ Ⅱa Ⅱb Ⅲ Ⅳ Ⅴリポ蛋白の増加カイロミクロンLDLVLDLLDLレムナント(broad β)VLDLカイロミクロンVLDLTC →または↑ ↑~↑↑↑ ↑~↑↑ ↑↑ →または↑ ↑TG ↑↑↑ → ↑↑ ↑↑ ↑↑ ↑↑↑グリセリン脂肪酸脂肪酸脂肪酸図3 トリグリセライドCCHHO-O炭化水素鎖カルボキシル基極性【水に溶けやすい】非極性【水に溶けにくい】図4 脂肪酸の化学式