カレントテラピー 32-9 サンプル

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84 Current Therapy 2014 Vol.32 No.9916せず,新制度における機能性表示は別の制度とするとのことであった(http://www.caa.go.jp/foods/pdf/ 140502 _shiryo_1.pdf).本稿では,脂質異常症予防として,「特別用途食品(トクヨウ)」と機能性食品について触れ,「特定保健用食品(トクホ)」の有用性についても述べる.Ⅱ 「特定保健用食品」と「特別用途食品」の必要性脂質異常症予防にあたっては,生活習慣の改善,過食予防および運動療法が重要である.さらに,その治療対象は,病人のみならず,境界領域や健康な人も対象となり,治療期間が長期を要する場合が多い.したがって,食品であるサプリメント(機能性食品)の投与も,選択肢のひとつとなる.しかしながら,サプリメントのような健康食品による健康被害は後を絶たない(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/houreituuti.html#1).例えば,中国製ダイエット用健康食品に甲状腺末あるいは発癌物質の可能性のあるN - ニトロソ- フェンフルラミンが含まれていたとか,さらには,糖尿病に勧められていた健康食品に経口血糖降下剤であるグリベンクラミドが含まれていたとの報告もある.したがって,どのように健康食品の品質を保つかが重要となる.Ⅲ 「特定保健用食品」と「特別用途食品」健康食品と呼ばれるものについては,法律上の定義はなく,広く健康の保持増進に資する食品として販売・利用されるもの全般を指して,「健康食品」と呼んでいる.そのうち,国の制度としては,安全性や有効性に関する基準等を満たし,国が定めた食品には,「特定保健用食品」いわゆる「トクホ」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/hyouziseido- 1.html)と「特別用途食品」いわゆる「トクヨウ」(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/hokenkinou/hyouziseido- 2.html)とがあり,一定の安全性と有効性が担保されている.作用機序が明確であること,ヒトでの無作為比較試験(RCT)での有意差,ヒトでの一般的な生化学的な検査,該当品3倍量の14週間過剰摂取試験,動物での過剰摂取試験など,それぞ1,000 3,5003,0002,5002,0001,5001,0005000(千人) (千人)8009007006005004003002001000入院患者数外来患者数1965年1970年1975年1980年1984年1987年1990年1993年1996年1999年2002年2005年2008年2011年1965年1970年1975年1980年1984年1987年1990年1993年1996年1999年2002年2005年2008年2011年0~14歳0~14歳15~34歳15~34歳35~64歳35~64歳65歳以上65歳以上75歳以上(再掲)75歳以上(再掲)図1 年齢階級別に見た統計患者数の年次推移入院・外来ともに65歳以上の高齢者の増加が特徴的だが,その中でも75歳以上の高齢者の入院増加が顕著である.〔厚生労働省 平成23年(2011年)患者調査より引用〕