カレントテラピー 32-9 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.9 83915Ⅰ はじめに以前からわが国の高齢化率(65歳以上の人口の割合)の上昇は問題視されており1)~3),平成24 年(2012年)には24.1%,平成25年(2013年)には25.1%となり,今年平成26年(2014年)には26%となることが予想される.そして,『平成25年度版高齢社会白書』(内閣府)によると,今後,平成27年(2015年)には27%,2016年には27.5%,2017年には28.0%,2018 年には28.5%と,確実に1 年に0.5%増加すると予想されている.そして,その後も増加を続け,2035年には33.4%,2060年には約40%に達するとされる.また,団塊の世代が後期高齢者に到達するいわゆる“2025年問題”もあり,外来患者数が増加するのも,この65歳以上の高齢者である(図1).限られた医療予算のなか,現在の臨床形態では一定の医療レベルを保ちながら,医療体制を維持することができない可能性がある.したがって,医師の処方箋によらない,薬物ではなく,食品であるサプリメント(機能性食品)についての理解が医師サイド,患者サイドの双方に必要な事態と考える4),5).安倍政権が掲げる経済政策「3本の矢」の第3の矢:成長戦略に,「一般健康食品の機能性表示を可能とする仕組みの整備」が盛り込まれ,それを受けて,健康食品の機能性表示制度検討会が行われている.最近,消費者庁から,食品の新たな機能性表示制度(http://www.caa.go.jp/foods/index19.html)における機能性の表示の在り方についての資料が提出された(消費者庁の機能性表示案のポイント 平成26年5月2日).大幅な規制緩和が進むかと注目されたが,これによれば,栄養機能食品制度および特定保健用食品制度は廃止脂質異常症予防とトクホ井上郁夫*以前からわが国の高齢化率(65歳以上の人口の割合)の上昇は問題視されている.また,団塊の世代が後期高齢者に到達するいわゆる“2025年問題”もあり,外来患者数が増加するのも,この65歳以上の高齢者である.限られた医療予算のなか,現在の臨床形態では一定の医療レベルを保ちながら,医療体制を維持することができない可能性がある.「国民が自らの健康を自ら守る」との考え方から,今こそ,機能性食品の理解が必要な時期に来ていると考える.この機能性食品の一定の安全性と有効性を担保するため,国の制度として,「特定保健用食品(トクホ)」と「特別用途食品(トクヨウ)」とがある.脂質異常症予防のため「トクホ」として表示できる用途は厳格に制限される.例えば,「コレステロールの吸収を抑える働きがあります」「コレステロールの高めの方に適しています」「食後の中性脂肪の上昇を抑えます」などと表示されている.これらを理解することで,他の健康食品と区別することができる.* 埼玉医科大学 内分泌内科・糖尿病内科 准教授/代表教育主任脂質異常症の診断と治療の動向― ACC/AHAガイドラインを考慮して