カレントテラピー 32-8 サンプル

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10 Current Therapy 2014 Vol.32 No.8724うか」といった情報はきわめて大事で,時に受け入れ可否に大きく影響する.緊急CT検査ができない施設では,頭部外傷の診療に消極的になる,などの影響が出ることもあるし,高齢者救急においては隠れた病態を見出すうえでより重要ととらえられることもある.院内体制として,医師,看護師のほかに診療体制の充実と関係する診療放射線技師,検査技師の常駐体制に注目して解析したものが図4である.各点は医療機関を表す.縦軸・横軸にはそれぞれ検査技師,放射線技師の夜間・休日の在院体制をとっている.◎は当番日のすべての休日・夜間の時間帯で院内に常駐している,CT検査または血液検査が可能である,○は当番日のすべての休日・夜間の時間帯で院内に待機している,△は当番日には院内に待機しているが,すべての休日・夜間の時間帯ではない,□は院内不在でオンコール体制がある,×は院内不在でオンコール体制もない,と区分した.したがって本図において,右下に行くほど,診療放射線技師,検査技師とも常駐に近く,左上に行くほどどちらも不在に近い状況を表すことになる.全体は25分割されているが,右上に多く分布し,左下に分布が少ない.これは検査技師より診療放射線技師の常駐体制の充実度のほうが高いことを表しており,実際の感覚に一致する.分割されたそれぞれのセル内で,右に行くほど病床数が大きく,上に行くほど時間外救急車の受け入れ数が多い.25分割のセルの右下ほど,病床数の大きな医療機関が増え,かつ受け入れ救急患者数も多い施設が増えてくる.ただしばらつきが大きい.Ⅳ いわゆる社会的入院に関する解析先の厚生労働科学研究ではレセプトデータ等医療費から見た分析は行っていないが,地域のレセプトデータによる医療費から,70歳以上の高齢者についてのデータを分析した興味深い研究4)がある.医学的観点からは治療あるいは看護継続の必要性が低くなった状態において,諸事情により介護の代替策としてやむなく医療機関に入院するいわゆる「社会的入院」は,一種のセーフティネットと言えるのかもしれない.これを医学的理由のある長期入院と区別する方法について,筆者らは費用ベースのアプローチ救急搬送数(件/年)8,5008,0007,5007,0006,5006,0005,5005,0004,5004,0003,5003,0002,5002,0001,5001,0005000病床規模1(~200床) 2(~500床) 3(501床~)4,0006,0008,00010,0002,00012,0004,0006,0008,00010,0002,00012,0004,0006,0008,00010,0002,00012,000時間外救急搬送数(件/年)図3病床規模別医療機関ごとの年間救急搬送受け入れ数(すべて)と年間救急搬送受け入れ数(時間外)の関係