カレントテラピー 32-8 サンプル

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94 Current Therapy 2014 Vol.32 No.8808外傷患者で,その半数弱は交通外傷によるものであった.その他,心大血管疾患(急性冠症候群,大血管疾患など)2,661例(14%),脳血管障害2,955 例(15%)など,緊急度・重症度の高い疾病が主な対象になっていた.Ⅳ ドクターヘリの具体的な運用1 運航範囲,運航時間・条件ドクターヘリの運航範囲は,通常基地病院から半径50 kmであるが,僻地・離島などが含まれる場合は150km程度まで運航することがある.運航時間は地域によって若干異なるが,日の出から日没までの間であり,原則として夜間運航は行っていない.また,天候や視程などにより飛行可能な条件が定められている.2 機体・クルー用いられる機体は,最大離陸重量3t程度の中型ヘリコプターである.これより小型の機体では搬送中の処置や患者管理が困難であり,大型の機体は離着陸の場所が限定される.機内には,患者モニターや人工呼吸器,除細動器,吸引器などの医療機器が装備されている.操縦士と副操縦士(整備士)のほか,医療クルー(医師・看護師など)2~3 名が搭乗のうえ,担送患者を1~2名搬送できる.3 運用方法1)現場出動傷病発生現場もしくはその付近の場外・緊急離着陸場へ出動するもので,多くの場合,以下のランデブー方式が用いられている(図3).?ドクターヘリの運航対象地域内に,あらかじめ多表 ドクターヘリの診療内容疾病分類疾病名診療人数外傷交通外傷3,744その他外傷5,028小計8,772心大血管疾患急性冠症候群1,129大動脈瘤・解離540その他992小計2,661脳血管障害脳梗塞847クモ膜下出血484脳出血762その他862小計2,955その他外因1,087内因3,376総計18,851母子周産期(再掲) 227(2013年度全国集計;日本航空医療学会)図2 ドクターヘリの全国配備状況(2014年3月;基地病院を黒丸で示す)ドクターヘリ場外離着陸場(ランデブーポイント)出動要請救命救急センター傷病発生現場図3 ドクターヘリの運用(ランデブー方式の現場出動)