カレントテラピー 32-8 サンプル

カレントテラピー 32-8 サンプル page 22/38

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 32-8 サンプル の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 32-8 サンプル

Current Therapy 2014 Vol.32 No.8 43ER型救急医療757変化と言わざるを得ない.これは米国においても同様の問題をもっている.急激な人口減少と限界化が進む過疎地域における救急医療の提供については,さまざまな叡智を要する喫緊の課題である.Ⅴ 臨床教育と臨床研究2004年から開始された初期臨床研修制度では,幅広い救急診療能力を涵養することがひとつの目的とされている.専門分化の進んだ現代の医療において求められる医師像に専門外分野にも対応する,特に救急患者に対応する能力を求めているのである.このような医師像に対応する救急医療の研修は,当然のことながら,救急医の指導の下で幅広く救急患者を診療するER型救急医療体制に注目が集まる.このため,2004年前後にER型を採用する施設が増加したことは前述のとおりである(図1).このように,ER型救急医療体制は診療科や重症度に関わらずコモンディジーズを診療する総合的な診療の訓練の場を担保しているといえる3).一方,従来,救急外来は救急医学の臨床研究の場として適切ではないと考えられてきた.それは,図3 Aに示すように,救急医が救急外来において責任を負ってこなかったからと考えられる.事実,本邦の救急部門から出されている英文論文を分類すると,他のアジア諸国と比較して,救急医学に関する論文がわずかとなっている(図5).しかし,ER型救急医療体制では図3 Bに示すように,救急医学が救急外来で行われるので,診断やリスク層別化などの研究が発達しやすい環境にある.しかも,重症度の異なる傷病患者を多数集めることができるので,これらの研究資源が豊富である.事実,欧米の多くの診療ガイドラインは救急外来における救急医学の研究成果がふんだんに盛り込まれている.本邦においても,今後,これらの増加を期待したい.Ⅵ ER型救急医療の将来人口構成の高齢化に伴って,救急患者に高齢者の占める割合が急増している.高齢者は,さまざまな既往歴をもち,内服治療を行っていることがまれではない.このため,外傷であっても急性疾患であっても,複数領域にわたる診療を余儀なくされる.このような患者診療を非ER型で行ったとすれば,複数の専門医が一堂に会して1名の患者の診療を行わなければならなくなる.これは非現実的な診療モデEmergency Medicine Research Outcome(Web of Science;1980-2012)0%25%50%75%100%論文の割合救急集中治療外科内科その他日本台湾豪中国韓国香港シンガポール図5救急部門の英文論文の内訳Web of ScienceTMを用いて,1980年から2012年までに各国の救急部門名で出された英文論文数を調査した.同検索サイトでは,論文の内容の分類が行われており,救急医学,集中治療医学,外科学一般,および内科学一般に分類される論文数を調査した.本邦では,救急医学に分類される論文が少ないことが特徴的である.