カレントテラピー 32-7 サンプル

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74 Current Therapy 2014 Vol.32 No.7690中止例は有意に上昇していたという.DAPTを中止した理由や状況により,イベントに違いがみられたという本研究の結果は,至適DAPT療法についての今後の研究に影響を与えるものと考えられる.Ⅳ 第2世代DESにおける成績向上現在の日本において最も広く使用されているエベロリムス溶出性ステント(everolimus -eluting stent:EES)に代表される第2世代のDESにおいては,早期あるいは1年以内の遅発性ステント血栓症の発生リスクがPES,SESなどの第一世代のDESやBMSに比較して有意に低いことが示されている5).このようなステントの進化によって,PCI術後のDAPT至適期間などの抗血小板療法のあり方にも影響が起きている.本邦においてもDAPT施行期間を明らかにするための臨床研究が進行中である.名前をSTOPDAPT研究という.これは,ステント血栓症の発生リスクが低いEESが留置された患者において,チエノピリジン系薬剤の投与期間を3カ月に短縮可能と担当医が判断した連続症例を登録し,ステント留置後3カ月の時点でチエノピリジン系薬剤の投与を中止し,ステント留置後12カ月の心血管イベント,出血イベントの発生率を評価するものである.2013年10月には1,500症例の登録を終了しており,2014年末には結果が紹介されるものと期待される.Ⅴ 心房細動を伴うPCI術後患者心房細動や,人工弁の留置を受けている患者では,抗凝固薬を継続して服用することが必要である.ワルファリンに代表される抗凝固薬の長期服用が必要な患者にPCIを行う場合には,さらなる抗血小板療法により出血リスクの上昇が懸念される.この問題に対してWOEST試験6)の結果が報告された.抗凝固薬にアスピリンとクロピドグレルの2剤を加えるより,クロピドグレルのみを追加したほうが,出血リスクが低く,さらに全死亡または心血管イベントのリスクも低いことを示した.一方で,ステント血栓症リスクには差がなかったという.抗凝固薬が必須である患者では,クロピドグレルのみを投与することにより血栓症リスクを高めることなく出血リスクを有意に低減できることを示した本研究は興味深い.N of eventsN of patients at riskIncidenceN of eventsN of patients at riskIncidenceN of eventsN of patients at riskIncidenceN of eventsN of patients at riskIncidenceInterval 120 day 365 day 730 day 1,095 day Interval 120 day 365 day 730 day 1,095 day139 306 4115,214 3,867 1,8532.6% 6.0% 9.5%5,43877 156 1975,217 4,583 2,5511.4% 3.0% 4.2%120 365 730 1,09530%10%0%20%5,43810 15 24843 782 5681.2% 1.9% 3.0%85121 45 68841 728 4602.3% 5.3% 8.9%871Days after DES implantation120 365 730 1,09530%10%0%20%Days after DES implantation(A)Death/MI/Stroke (B)BleedingOn ThienopyridineOff ThienopyridineOn ThienopyridineOff ThienopyridineCumulative incidenceCumulative incidenceOn ThienopyridineOff Thienopyridine5,438871On ThienopyridineOff Thienopyridine5,438871Log rank p = 0.49 Log rank p = 0.04図2CREDO-Kyoto Registry Cohort-2におけるイベントと出血性合併症の累積頻度4カ月(120日)の時点でDAPT継続群(On Thienopyridine)と中止群(Off Thienopyridine)においてイベントには差はない(A)が,出血性イベントは継続群で有意に多い(B).