カレントテラピー 32-5 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.5 11診断425関節,MTP関節のうち,3関節以上に骨びらん(骨皮質の不連続像)を呈する関節炎」である(手関節は1関節とカウントする)7).新分類基準と同様に,この定義はコホート研究からのデータと専門家のコンセンサスに基づいて決められた.コホート研究については2つの早期関節炎コホートにおいて1年以内のMTXもしくは他のDMARDsの開始,5年以上の持続性関節炎を評価基準として検討され,新分類基準6点未満の患者において特異度90%以上8)となる3関節以上が採用された.このように,骨びらんの定義はより高い特異度を目指してつくられており,レントゲンの所見のみでRAと誤分類される症例は非常に少ないと考えられる.Ⅴ 2010 ACR/EULAR分類基準の検証と今後の課題2010年に新分類基準が発表されて以降,その妥当性を検討する研究が多数行われている.しかし研究間において,対象の患者群やreference standardのばらつきが大きい.ここではそれらのまとめとして新分類基準のパフォーマンスを検討した系統的レビューを紹介する.Radner9)らは5つの研究のプール解析により,他疾患で説明できない滑膜炎を有する患者を対象とし,レントゲン所見も考慮に入れた新分類基準の感度,特異度を求めている.結果はそれぞれ0.82(95% CI, 0.79-0.84),0.61(95% CI, 0.59-0.64)であった.Reference standardは専門家による診断,MTX/DMARDsの開始,骨びらんの形成,それらの組み合わせなど研究により異なっていたが,いずれのreference standardを用いても感度・特異度に大きな差はなかった.なお,レントゲン所見についてはいずれもEULARから定義が出される前であり,その評価は研究間で大きく異なる可能性がある.Sakellariou10)らも系統的レビューにて6つの論文と4つの学会抄録からMTX開始をreference standardとした場合の感度・特異度はそれぞれ0.80(95% CI,0.74-0.85),0.61(95% CI, 0.56-0.67)と同様の結果他の疾患では説明できない一カ所以上の腫脹関節Yesスコア6点以上長期間持続しているが活動性が低い状態が疑われるすでにレントゲンを撮っている典型的な骨びらんレントゲンの評価を行うスコアの記載を残すことRARAではないNoYes YesNoNoYes YesNo No図 レントゲン所見も含めた2010 ACR/EULAR新分類基準のアルゴリズム〔参考文献6)より引用改変〕