カレントテラピー 32-5 サンプル page 7/30
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カレントテラピー 32-5 サンプル
10 Current Therapy 2014 Vol.32 No.5424門家にコンサルトすることが強く勧められる.新分類基準は4つのドメイン,つまり罹患関節数,血清学的検査,急性期反応物質,症状の持続期間から構成されている.旧分類基準と比較すると,骨びらんの所見やリウマトイド結節,朝のこわばりが基準項目から外され,代わりに血清学的検査や急性期反応物質が加えられている.罹患関節数は小関節により重点を置いたものになっている.新分類基準を使用するためにはこの4つのドメインすべてに関して情報を得ている必要があり,病歴と詳細な関節所見,少なくともリウマトイド因子もしくは抗シトルリン化ペプチド抗体(ACPA)のいずれか一方の結果,赤血球沈降速度(ESR)もしくはC反応性蛋白(CRP)のいずれか一方の結果が必要である.罹患関節数については必ずしも腫脹関節である必要はなく,圧痛関節も含まれる.つまり,一カ所でも腫脹関節があり前述の前提を満たせば,後は罹患関節数に関しては腫脹関節のほかに,圧痛関節でもカウントしてよいということになる.ただしDIP関節,第1MTP関節,第1CMC関節は含まれない.前述の前提を満たし,計10点のスコアのうち6点以上であればdefinite RAと分類される.新分類基準は基本的に新たに滑膜炎を発症した患者を対象にしているが,当初は基準を満たさなくても,経過に応じて繰り返し適用することができるとしている.また,長期罹患の患者は以前の情報から過去に基準を満たしていたと判断できる場合はdefiniteRAと分類することができる.Ⅳ 新分類基準におけるレントゲンの位置づけと骨びらんの定義前述のとおり,早期RAを想定している新分類基準では基本的にレントゲンを評価する必要はない.しかし,例外として以下の二つの状況においてレントゲンの評価が必要としている.一つ目は関節炎が長期間持続しているが,評価時点で活動性が低いためRAと分類されない症例であり,この場合にはレントゲンを撮像し,典型的な骨びらんがあればdefiniteRAと分類する.二つ目は早期関節炎の症例でスコアリングシステムの点数が6点未満だが,何らかの理由ですでにレントゲンが撮像されている場合であり,同様に骨びらんがあればdefinite RAと分類する.この二点を考慮に入れたアルゴリズムも発表されている(図)6).「典型的な骨びらん」は新分類基準では特に定義されていなかったが,2013年にEULARから組織されたタスクフォースにより発表されている.それによるとdefinite RAと分類するための「びらん性関節炎(erosive disease)」とは「PIP関節,MCP関節,手鑑別難易度高1.2.3.4.ウイルス感染に伴う関節炎(パルボウイルス,風疹ウイルスなど)全身性結合組織病(シェーグレン症候群,全身性エリテマトーデス,混合性結合組織病,皮膚筋炎・多発性筋炎,強皮症)リウマチ性多発筋痛症乾癬性関節炎中1.2.3.4.5.6.7.変形性関節症関節周囲の疾患(腱鞘炎,腱付着部炎,肩関節周囲炎,滑液包炎など)結晶誘発性関節炎(痛風,偽痛風)血清反応陰性脊椎関節炎(反応性関節炎,掌蹠膿疱症性骨関節炎,強直性脊椎炎,炎症性腸疾患関連関節炎)全身性結合組織病(ベーチェット病,血管炎症候群,成人スチル病,結節性紅斑)その他のリウマチ性疾患(回帰リウマチ,サルコイドーシス,RS3PEなど)その他の疾患(更年期障害,線維筋痛症)低1.2.3.4.感染に伴う関節炎(細菌性関節炎,結核性関節炎)全身性結合組織病(リウマチ熱,再発性多発軟骨炎)悪性腫瘍(腫瘍随伴症候群)その他の疾患(アミロイドーシス,感染性心内膜炎,複合性局所疼痛症候群など)表2新基準使用時のRA鑑別疾患難易度別リスト(日本リウマチ学会ホームページより)〔参考文献5)より引用〕