カレントテラピー 32-5 サンプル

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62 Current Therapy 2014 Vol.32 No.5476例は滑膜切除の良い適応である.鏡視下滑膜切除と直視下滑膜切除がある.撓骨頭切除により回内外可動域の改善がみられる.術後成績は早期例では比較的良好で,5年経過後に半数以上の症例で除痛効果が得られる.3)手関節手関節の疼痛は把持力に直接関係する.疼痛による障害が起こりやすい関節である.腱皮下断裂や絞扼性神経障害による機能障害では,放置により筋,神経に不可逆的障害が起こるので,早期の腱再建術や神経除圧術が望ましい.4)指関節関節破壊が軽微な症例では滑膜切除が行われることもあるが,評価は定まっていない.2 下肢関節おける滑膜切除術の適応1)股関節解剖学的特徴から滑膜切除術の適応はない.2)膝関節関節液貯留,滑膜炎が著しいが,X線所見におけるLarsen gradeⅠ, Ⅱの早期例では直視下および鏡視下滑膜切除術が適応となる.近年は鏡視下滑膜切除が広く行われている.疼痛軽減が期待できるが,関節破壊進行抑制効果は限られる.滑膜切除後は疾患活動性によっては早期に滑膜炎の再発が起こる.3)足関節腫脹,疼痛を認めるが,X線所見で関節破壊の軽度な例が滑膜切除術の適応となる.足も手指同様に実施し得るが,実施される症例はきわめて限られる.AB術前術後術術前前術術後後図1 手関節に対する手術A:Sauve-Kapandji(SK)法環,小指の伸筋腱断裂を伴い,固有示指伸筋腱の腱移行術を同時に行った.B:手関節固定術,MP関節形成術高度の手関節不安定性あり,手根骨は掌側に脱臼している.まず手関節固定術により手関節を安定化し,さらにMP関節について切除関節形成術を行ったところ,包丁が把持できるようになった.RA疾患活動性はエタネルセプトにてコントロールされている.