カレントテラピー 32-5 サンプル page 15/30
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カレントテラピー 32-5 サンプル
42 Current Therapy 2014 Vol.32 No.5456は2011年2月に公知申請が承認され,MTXが第一選択薬として使用可能となった.本邦で承認されている主なcsDMARDsを,表に示す.また,当施設で施行しているIORRAコホートでのcsDMARDsの使用頻度を図に示す.csDMARDsのなかでも日常臨床で使用頻度が高いMTX,SASP,ブシラミン(BUC),タクロリムス(TAC),2012年に発売になったイグラチモドについて,特徴,使用方法,副作用などについて解説する.1 メトトレキサート1)位置づけMTXは,RA治療におけるアンカードラッグで,良好な有効性,継続率を有している.日本リウマチ学会が作成した『関節リウマチにおけるメトトレキサート(MTX)診療ガイドライン2011年版』では,RAと診断されて予後不良因子(リウマトイド因子陽性,抗CCP抗体陽性,早期骨びらん,高疾患活動性,身体機能障害など)を有する症例では,MTXを第一選択薬とし,他のDMARDsで治療効果不十分な症例には積極的にMTXを使用することが推奨されている2).2)作用機序MTXは葉酸と化学構造が類似した,葉酸代謝拮抗薬である.主な作用は,ジヒドロ葉酸還元酵素の競合的阻害によるピリミジン合成阻害とDNA合成阻害による細胞増殖抑制である.また,MTXは細胞内に取り込まれるとポリグルタミン酸誘導体となり,細胞内に長くとどまるため,MTXの治療効果発現までは数週間を要し,中止後も副作用が持続するなどの効果・副作用に関与することが示唆されている.3)投与量と投与方法投与量は,通常は6mg/週での開始が推奨されているが,前述の予後不良因子がある症例には8mg/週で開始する.高齢者,腎機能低下,肺病変のある表 日本で使用可能な主なconventional synthetic DMARDs一般名商品名主な副作用免疫調整薬金チオリンゴ酸ナトリウムシオゾール? 皮疹,蛋白尿オーラノフィンリドーラ? 下痢,軟便D-ペニシラミンメタルカプターゼ? 皮疹,蛋白尿,肝障害,血小板減少,自己免疫疾患の誘発サラゾスルファピリジンアザルフィジン?EN 皮疹,肝障害,胃腸障害,白血球減少ブシラミンリマチル? 皮疹,蛋白尿アクタリットオークル?,モーバー? 皮疹,胃腸障害イグラチモドケアラム?,コルベット? 肝障害,胃腸障害免疫抑制薬メトトレキサートリウマトレックス? 口内炎,肝障害,骨髄障害ミゾリビンブレディニン? 肝障害,高尿酸血症レフルノミドアラバ? 間質性肺炎,肝障害,骨髄障害,下痢タクロリムスプログラフ? 腎障害,消化器障害,耐糖能異常メトトレキサートサラゾスルファピリジンブシラミンタクロリムスミゾリビン金チオリンゴ酸ナトリウムD-ペニシラミンアクタリットオーラノフィンレフルノミドその他図 IORRAコホートのデータを用いたRA患者のDMARDs使用割合(2013年4月)(重複症例含む)