カレントテラピー 32-4 サンプル page 9/30
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カレントテラピー 32-4 サンプル
12 Current Therapy 2014 Vol.32 No.4328かの可能性が考えられる.新生児ではインスリンやグルカゴン陽性の内分泌細胞の小集団が導管周辺に位置することから,導管付近にある前駆細胞からの分化,誘導が担っているものと推察される.一方,腺房組織内に混在するように分布する内分泌細胞の小集団の起源はわかっていない.成長に伴い増大する膵島では既存のβ細胞からの複製,あるいは予備能をもつ未分化細胞のβ細胞への分化の可能性が高い.Hanleyらの研究では,肥満者では腺房内分布の新生膵島を多くみるとしている.逆に糖尿病では導管周囲からの新生膵島を多くみるとしている9).このことから,場所によって異なった過程でβ細胞10A β-cell年齢(年)Ki67+cell(%)8642016B β-cellr=0.32, P<0.01β細胞容積0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 0 2 4 6 8Ki67+cell(%)1284010C β-cellr=0.11, P=0.37BMI(kg/m2)0 10 20 30 40 50Ki67+cell(%)84620図3 β細胞の成長,加齢によるKi67陽性率(細胞複製能)の変化生後から10歳台まではKi67陽性細胞の比率は高い(A).20歳台以降は低いまま推移する.β細胞の複製率(Ki67陽性率)はβ細胞容積と密接な相関を示す(B).一方,BMIの増加によっても日本人では影響を受けない(C).(文献8)ABβ細胞容量 米国人膵島容積日本人r=0.5p<0.0001r=0.18, P=0.12Vi(%)BMI(kg/m2)10 20 30 40 50 6001234BMI0 10 20 30 40 5002468(%) β細胞容積r=0.09, P=0.24Vβ(%)BMI0 10 20 30 40 5002468(%)膵島容量r=0.16, P=0.180 10 20 30 40 500246108(g) β細胞容量r=0.23, P=0.06MG(g)BMI(kg/m2)0 10 20 30 40 500246108(g)(g)図4 米国人と日本人のBMIとβ細胞容量との関係A:米国人ではBMI増加と密接に比例しβ細胞容量が増大する(A)(文献11).これに対し,日本人ではBMIの増加に対して膵島容積,β細胞容積,さらに膵島容量,β細胞容量いずれも有意の相関を示さない(文献8).わずかにβ細胞容量が相関傾向にある(p=0.06).