カレントテラピー 32-4 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.4 7323DPP-4阻害薬登場後の糖尿病治療の変化企画埼玉医科大学病院病院長/埼玉医科大学内分泌・糖尿病内科教授片山茂裕DPP -4阻害薬,次いでGLP -1受容体作動薬のような新しい血糖降下薬の登場により,糖尿病治療のパラダイムシフトが引き起こされたといっても過言ではない.特にDPP -4阻害薬はその血糖依存的な血糖降下作用があるため,低血糖をきたしにくく,体重減少をきたさないのが大きな特徴で,単独のみならずインスリンを含めた他の血糖降下薬との併用と,今や糖尿病患者の50%以上に広く用いられている.ここ数年で大きく変わった糖尿病の治療において,これら薬剤の作用機序を概観し,ポジショニングを明らかにするよう,本特集を企画した.これまでは,糖尿病の成因として,インスリン分泌不全とインスリン抵抗性が注目されてきたが,インクレチン関連薬の登場によりグルカゴンの臨床的意義が再度見直された.本特集では,現時点でのインスリンシグナル伝達機構やグルカゴンの臨床的意義をそれぞれの専門の先生方に解説していただいた.また,明らかになりつつある「膵β細胞の分化・増殖・再生機構」が病態の理解や今後の治療に大きな変革をもたらす可能性があり,ご一読いただきたい.そして,ここ1年の糖尿病治療に関わる大きな動きを網羅した.すなわち,日本糖尿病学会より発せられた極端な低炭水化物食に対する警鐘や糖尿病食事療法を「基本的療法」として取り上げた.また,2013年5月の第56回日本糖尿病学会年次学術集会で「熊本宣言2013」が発表され,糖尿病患者の血糖管理目標値がHbA1c 7%未満と改訂された.これを踏まえ,治療目標の個別化を含めて解説をお願いした.そして最近進歩の著しい持続血糖モニター(continuous glucosemonitoring:CGM)の現況を一読され,「質の良い血糖コントロール」を考える一助にしていただければ幸いである.糖尿病患者の癌についてもご一読いただきたい.加えて,今春に上市される新しい作用機序の血糖降下薬のSGLT2阻害薬を,どのような糖尿病患者さんに処方すべきかご一考いただきたい.キーワードとしては,DPP -4阻害薬に関する話題と遺伝子解析や遺伝子治療・再生治療というホットな話題を短くまとめていただいた.この時期に「大きく変わった糖尿病の治療」というタイムリーな特集の機会をいただきましたご監修の髙久史麿先生・猿田享男先生と編集の北村聖先生に感謝申し上げるとともに,素晴らしいご寄稿をいただいた執筆者の皆様に深謝いたします.本特集は2014年4月の時点での糖尿病診療のUpdateであり,読者諸氏の実地診療の場で必ずやお役に立つものと確信している.大きく変わった糖尿病の治療