カレントテラピー 32-4 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.4 71治療薬解説387ホルミンを用いた患者を対象とした大規模臨床試験や,最近ではアジア人におけるdapagliflozin単剤の有効性も報告されている6).また,イプラグリフロジンは国内でメトホルミン,スルホニル尿素(SU)薬,チアゾリジン薬を用いた2型糖尿病患者を対象とした第Ⅲ相試験や,イプラグリフロジン単剤の投与で血糖降下作用が報告されている7).その他,canagliflozin,tofogliflozin,empagliflozin,luseogliflozinにおいても,同様に良好な血糖降下作用が公表されている.SGLT2阻害薬により,尿中に大量のグルコースが排泄されることで,尿路感染症と性器感染症を増加させる可能性が示唆されている.一方,600人の女性糖尿病患者を対象とした臨床試験においては,尿糖は尿路感染症のリスクを増加させないことが示されているが,今後の臨床成績の集積が必要と考えられる.Ⅲ グルコキナーゼ活性化薬1 グルコキナーゼの役割グルコキナーゼは,膵β細胞,肝細胞および一部の内分泌系・神経系の細胞に発現し,グルコースをグルコース6-リン酸へ変換する解糖系の律速段階酵素として,グルコース代謝の中心的な役割を果たしている.特に膵β細胞においては,インスリンの産生と分泌におけるグルコースセンサーとして機能し,また肝細胞ではグルコースの取り込みとグリコーゲン合成を制御し,両機能は2型糖尿病において障害される.さらに,ヒトにおいてグルコキナーゼの遺伝子変異が糖代謝異常を引き起こすことが数多く報告されている8).このため,グルコキナーゼを標的としたグルコキナーゼ活性化薬(glucokinaseactivator:GKA)が開発され,その基礎研究および臨床における効果が報告されている.2 GKAの作用およびそのメカニズムグルコキナーゼの活性化により,膵β細胞ではインスリン分泌の血糖閾値が低下することで,グルコース応答性インスリン分泌が亢進し,肝ではグルコースの取り込みが増加してグリコーゲン合成や解糖が促進する.このことから,GKAは膵β細胞でのインスリン分泌能増強作用と肝での糖利用亢進作用という二面性を有する新しいタイプの糖尿病治療薬として期待されている.基礎研究において,単離膵島や膵β細胞株を用いた実験から,GKAはカルシウムOFHO SHOOHOHlpragliflozinO S F HOHOOHOHCanagliflozinO OHO SHOOHOHLuseogliflozinOOHOHOOHOHTofogliflozinOO OHOHOOHOHCIO EmpagliflozinOHOHOOHOHCIDapagliflozinO O OHOHOHOOHOHOH OHPhlorizin図2フロリジンとその誘導体であるSGLT2阻害薬〔参考文献7)より引用改変〕