カレントテラピー 32-4 サンプル

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40 Current Therapy 2014 Vol.32 No.4356Ⅰ はじめにインクレチンは,膵β細胞からのインスリン分泌を促進する消化管ホルモンの総称で,gastric inhibitorypolypeptide(GIP)とglucagon-like peptide-1(GLP-1)が主要なインクレチンである.食事摂取によって上部小腸に主に存在するK細胞からGIPが,下部小腸から大腸に主に存在するL細胞よりGLP -1が分泌される.しかし,分泌されたインクレチンは血中や血管内皮に存在するdipeptidyl peptidase-4(DPP-4)によって速やかに分解される.インクレチン関連薬であるDPP -4阻害薬が2009年12月に本邦で初めて上市され,約4年が経過している.現在では7種類のDPP-4阻害薬と4種類のGLP -1受容体作動薬が臨床で使用可能となり,日本人2型糖尿病の治療に広く使用されている.本稿では,インクレチン関連薬の作用について概説する.Ⅱ インクレチンのインスリン分泌促進作用(インクレチン効果)欧州人を対象とした研究からインクレチンによるインスリン促進作用(インクレチン効果)は,糖負荷後の総インスリン分泌の約50%以上と食後の血糖維持に大きく貢献している1).アジア人を対象としたインクレチン効果の検討でも糖負荷後のインスリン分泌の約50%を占めていることから,インスリン分泌能が低いアジア人においてもインクレチン効果は重要であると考えられる2).腸管内分泌K細胞,およびL細胞から分泌されたGIPとGLP -1は門脈血から肝臓を経て体循環を経由し,膵β細胞上のGIP受容体とGLP -1受容体に結合して作用する.またGLP-1受容体は門脈の迷走神経終末にも発現し,肝迷走神経の求心性神経から膵臓の遠心性迷走神経への神経ネットワークを介して間接的にも作用している.GIP受容体とGLP -1受容体は,7回膜貫通型受インクレチン関連薬の作用機序原田範雄*1・稲垣暢也*2インクレチンは,膵β細胞からのインスリン分泌を促進する消化管ホルモンの総称で,gastricinhibitory polypeptide(GIP)とglucagon-like peptide-1(GLP-1)が主要なインクレチンである.しかし,分泌されたインクレチンは,dipeptidyl peptidase-4(DPP-4)によって速やかに分解される.GLP-1受容体作動薬はGLP-1の薬理学的効果でGLP-1受容体を刺激して血糖低下と体重抑制に作用する.一方DPP-4阻害薬は,DPP-4を阻害して内因性の活性型GIPと活性型GLP-1の濃度を高めて血糖を低下させる.それぞれの機序は異なる薬剤であるが,DPP-4阻害薬とGLP-1受容体作動薬はいずれもインスリン分泌促進作用とインスリン抵抗性改善作用を併せもつことが特徴として挙げられる.*1 京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学助教*2 京都大学大学院医学研究科糖尿病・内分泌・栄養内科学教授DPP-4阻害薬登場後の糖尿病治療の変化