カレントテラピー32-3 サンプル

カレントテラピー32-3 サンプル page 8/36

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー32-3 サンプル の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー32-3 サンプル

Current Therapy 2014 Vol.32 No.3 11家庭血圧による高血圧診断とリスク評価213用前とし,一方,晩の測定条件は就寝前と設定した(表2).また家庭血圧はさまざまな環境的要因で変動することから,週日(労働日)と休日両方の測定を勧めているガイドラインも存在する2),14).他方,測定回数については各国のガイドラインで微妙な違いがある.国際コンセンサス会議2000のガイドラインでは,「測定回数は適応と目的によりおのずから異なる」とし,勧告として,朝晩それぞれ2回ずつ,労働日に3日間(計12回/週)測定するとしている15).また最近の欧米のガイドラインでは,測定回数は1機会2~3回,7日間とするもの,最低1機会1回,6~7日間でよしとするもの,また回数を規定していないものなどさまざまであり,いまだ統一された見解はない(表4)2).2011年のNICEのガイドラインでは,①家庭血圧測定は座位で連続する2回の測定を行い,測定間隔を1分以上とる,②朝と夕の1日2回の血圧測定を残す,③少なくとも4日間,理想的には7日間の連続血圧記録を行うこと,を推奨している12).JSH2014案では,JSH2009の1機会1回以上(1~3回)とする推奨を1機会「原則2回」とし,その平均をその機会の血圧値として用いることとした(表3).一方,1回のみの測定の場合にはその機会の血圧値として1回のみの血圧値を用いるとした.もしも測定者が自発的に3回測定した場合,その機会の値は3回の測定値の平均とすることも可とした.1機会にあまりに多くの測定回数を求めると測定の継続率は低下するため,1機会に4回以上の測定は勧められず,記録に関してはこれまでと同様,1機会に測定された測定値は,選択することなくすべて記録用紙に記載することが推奨されている.またJSH2009では,「測定は,背もたれつきの椅子に足を組まず座って(あるいはあぐら・正座で)1~2分の安静後」とされていたが,あぐら・正座では血圧が上昇することから,JSH2014案では,「原則として背もたれつきの椅子に足を組まず座って1~2分の安静後」とし,あぐら・正座は原則として推奨しないこととした.Ⅳ 高血圧の診断と降圧目標本邦のJSH2014案では,高血圧診断において家庭血圧の重要性がさらに強調される内容となっている.すなわち「診察室血圧と家庭血圧の診断が異なる場合は家庭血圧の診断を優先する」との文言が追加される予定である.また,家庭血圧に基づく高血圧基準値はJSH2009 NICE(2011) ESC/ESH 2013測定期間できるだけ長期間最低4日,理想的には1週間最低3日,1週間1日における測定回数朝,就寝前1日2回,理想的には朝,夕朝,夕(食前,内服前)1回における測定回数1機会1回以上(1~3回)少なくとも1分あけて2回連続1~2分あけて2回評価法朝各機会1回目の5日(5回)以上の平均値,晩各機会1回目の5日(5回)以上の平均値,すべての個々の測定値およびそれらの平均値初日を除き,他のすべてのデータを平均初日を除き数日間のデータを平均高血圧SBP≧135かつ/またはDBP≧85SBP≧135かつ/またはDBP≧85SBP≧135かつ/またはDBP≧85正常値SBP<125かつDBP<80 SBP<130かつDBP<80表4各ガイドラインにおける家庭血圧測定条件SBP:収縮期血圧,DBP:拡張期血圧〔参考文献2)より引用改変〕表5 異なる測定法における高血圧基準(mmHg)収縮期血圧拡張期血圧診察室血圧140 90家庭血圧135 85自由行動下血圧 24時間130 80 昼間135 85 夜間120 70