カレントテラピー32-3 サンプル

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10 Current Therapy 2014 Vol.32 No.3212Ⅲ 測定回数,測定条件,測定期間表2, 3にJSHにおける測定方法,条件,評価を示す.上腕カフ・オシロメトリック法に基づく装置で,①静かで適当な室温の下,②原則として背もたれつきの椅子に足を組まず座って1~2分の安静後,③会話を交わさず,④測定前に喫煙,飲酒,カフェインの摂取は行わず,⑤カフ位置を心臓の高さに維持できる環境で測定すること,が推奨されている1).2008年ESH家庭血圧測定ガイドラインも,日本のガイドラインとほぼ同様の条件での測定を勧めている11).すなわち,上腕カフ・オシロメトリック法に基づく装置のみが推奨され,指,手首式の血圧測定は推奨されず,また水銀法も推奨されていない.測定には少なくとも5分の安静が必要で,30分前までは喫煙,食事,カフェイン摂取,運動を行っていないこと,静かな環境で,足を組まず背もたれつきの座位で,会話を交わさずリラックスした環境で測定することが推奨されている.さらに測定結果はすぐに記載するか,データとして保存するよう勧められている.また家庭血圧は,朝・晩に測定することが一般的に行われており,各国のガイドラインでも明記されている2).JSH2014案では,朝の家庭血圧測定条件を,起床後1時間以内,排尿後,朝食前,降圧薬服1.装置上腕カフ・オシロメトリック法に基づく装置2.測定環境1)静かで適当な室温の環境*12)原則として背もたれつきの椅子に足を組まず座って1~2分の安静後3)会話を交わさない環境4)測定前に喫煙,飲酒,カフェインの摂取は行わない5)カフ位置を心臓の高さに維持できる環境3.測定条件1)必須条件a. 朝 起床後1時間以内排尿後朝の服薬前朝食前座位1~2分安静後b. 就床前*2座位1~2分安静後2)追加条件a. 指示により,夕食前,晩の服薬前,入浴前,飲酒前など.その他適宜.自覚症状のある時,休日昼間,深夜睡眠時*3*1 殊に冬期,暖房のない部屋での測定は血圧を上昇させるので,室温には注意を喚起する.*2 JSH2014では晩(就寝前)となる予定である.*3 夜間睡眠時の血圧を自動で測定する家庭血圧計が入手し得る.表2家庭血圧測定の方法・条件・評価(案)①4.測定回数*4とその扱い*5 1機会1回以上(1~3回)5.測定期間出来る限り長期間6.記録すべての測定値を記録する7.評価の対象朝測定値5日(5回)以上の平均晩測定値5日(5回)以上の平均すべての個々の測定値およびそれらの平均値8.評価高血圧 朝・晩それぞれの平均値≧135/85mmHg正常血圧 朝・晩それぞれの平均値<125/80mmHg*4 あまり多くの測定頻度を求めてはならない.*5 JSH2014では1機会原則2回測定し,その平均をとる.1機会に1回のみ測定した場合には,1回のみの血圧値をその機会の血圧値として用いる.となる予定である.注1 家庭血圧測定に対し不安をもつものには測定を強いてはならない.注2 測定値に一喜一憂する必要のないことを指導しなければならない.注3 測定値に基づき,勝手に降圧薬の中止や降圧薬の増減をしてはならない旨を指導する.表3家庭血圧測定の方法・条件・評価(案)②