カレントテラピー32-3 サンプル

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Current Therapy 2014 Vol.32 No.3 85287庭血圧計の開発である.従来,夜間血圧の測定には,24時間自由行動下血圧測定(ambulatory bloodpressure monitoring:ABPM)が用いられてきた.ABPMによる自由行動下血圧は外来で測定した血圧よりも,将来の心血管病発症を予測できるという報告が多くされている5)~7).特に,ABPMによる夜間血圧(通常30分ごとの測定の平均値)は,診察室血圧,家庭血圧,ABPMによる24時間平均血圧,日中血圧を含めても,最も心血管イベントに関係していることが報告されている8).このように,ABPMの臨床的価値には疑いがないが,いくつか課題もある.まず,ABPMは2008年4月より保険適用が認められたにもかかわらず,日常診療に広く普及しているとは言い難い9).その理由はいくつか考えられるが,被験者の精神的・肉体的負担が大きいことが一因と思われる.夜中,頻回に繰り返される測定音や上腕の締め付けにより,安眠が阻害されてしまう,これがABPMの第一の課題である.第二の課題は,再現性の問題である.通常,ABPMは医療機関からの貸出しで一昼夜の測定が行われるが,ABPMの24時間血圧,日中血圧,夜間血圧の平均値は,その日の活動状態,睡眠状態などにより影響を受けるため,その再現性は必ずしも良好ではないという報告がある10).つまり,偶然貸出された日の血圧値によって,その個人の状態を評価することにはやや疑問が残る.これは,数カ月に1度の外来血圧測定の問題と同じである.上記2つの課題に対する解決策としては,家庭血圧計を用いて,就寝中,より少ない測定回数で複数日の夜間血圧測定を行うことが有用であると考えられる.そこでわれわれは,血圧計にタイマー機能を搭載し,あらかじめ機器に設定しておいた時刻に自動的LVMI(g/m2) Ln UACR(Lu mg/gCr)25020015010050010.008.006.004.002.000.00n=594r=0.144p<0.001n=854r=0.194p<0.00160 80 100 120 140 160 180 20060 80 100 120 140 160 180 200Nighttime ambulatory SBP(mmHg)Nighttime ambulatory SBP(mmHg)LVMI(g/m2) Ln UACR(Lu mg/gCr)10.008.006.004.002.000.00250200150100500n=854r=0.311p<0.001n=594r=0.270p<0.00160 80 100 120 140 160 180 20060 80 100 120 140 160 180 200Nighttime home SBP(mmHg)Nighttime home SBP(mmHg)図1 夜間血圧と臓器障害の関係〔参考文献11)より引用改変〕