カレントテラピー32-3 サンプル page 21/36
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カレントテラピー32-3 サンプル
Current Therapy 2014 Vol.32 No.3 63265ると結論づけた.Palmusらはニューヨーク近郊に住む糖尿病患者392名を対象に,外来血圧と組み合わせた家庭血圧測定(home blood pressure monitoring:HBPM)値が微量アルブミン尿症の進展予測に有用であるかどうかを検討した3).その結果,家庭で測定した脈圧値10mmHgの増加はアルブミン尿症の進展を34%増加させることを示した.われわれは,Japan Morning Surge-1(JMS-1)研究において,551名の高血圧患者(99名の糖尿病,452名の非糖尿病)で治療中にもかかわらず家庭早朝血圧135mmHg以上のものにおいて家庭血圧測定を行い,6カ月間外来血圧,家庭血圧および尿中微量アルブミンの変化を観察した4).その結果,家庭血圧の変化は外来血圧の変化よりも微量アルブミンの変化との関連性が強く,しかも,糖尿病においては家庭早朝血圧だけでなく,夜間就寝前血圧の変化が尿中アルブミンの変化と関連していた.また,Noguchiらは,HOMED -BP研究のサブ解析において,糖尿病を含む糖代謝異常(impared glucose metabolism:IGM)において外来血圧ではなく,家庭血圧がイベント予測に有用であったということを示した5()図2).したがって,糖尿病患者における血圧の評価の方法としては,臓器障害の進展ならびに心血管イベント予測という点で外来血圧よりも家庭血圧のほうが勝っているということがいえる.感度ROC曲線特異度0.00.20.40.60.81.00.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0早朝SBP外来SBP感度ROC曲線特異度0.00.20.40.60.81.00.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0早朝DBP外来DBP図1腎症の予測におけるROC曲線SBP:収縮期血圧,DBP:拡張期血圧〔参考文献2)より引用改変〕正常耐糖能患者(n=2,101)ベースラインベースライン収縮期血圧収縮期血圧拡張期血圧収縮期血圧収縮期血圧拡張期血圧拡張期血圧拡張期血圧治療中治療中家庭血圧測定外来血圧測定ハザード比0.5 1.0 2.0糖代謝異常患者(n=979)図2 正常耐糖能患者および糖代謝異常患者における血圧1SD上昇ごとの心血管イベントのハザード比(95% 信頼区間)下に示す8つの結果のうち,家庭血圧および外来血圧はそれぞれのCoxモデルに同時に入れられている.各モデルは性別,年齢,BMI,現在の喫煙,飲酒,高コレステロール血症,および心血管疾患の既往で補正されている.〔参考文献5)より引用改変〕