カレントテラピー 32-2 サンプル

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64 Current Therapy 2014 Vol.32 No.2164Ⅲ 新しい専門医制度の概要厚生労働省の検討会でまとめられた最終報告書の内容について概要を述べる.1 はじめに報告書の序として専門医制度改革の必要性,患者の視点に立ったうえで,専門医の質の一層の向上および医師の偏在是正を図ることを目的として検討会が設けられたことが述べられている.専門医制度の現状分析とその改革の方向性については,既述の専認構での議論が基盤になっている.2 求められる専門医像について専門医とはマスメディア等で言うところの「神の手を持つ医師」や「スーパードクター」を意味するのではなく,それぞれの診療領域における適切な教育を受けて十分な知識・経験をもち,患者から信頼され「標準的な医療を提供できる医師」と定義する.専門医のほかに,認定医や標榜医等の名称も一般に使われているが,今後はそれらを整理して患者にわかりやすい形にしていく.3 専門医制度の枠組み専門医の枠組みについては基本的な診療領域を専門医制度の根幹をなす領域として初期研修終了後,図1に示す18基本診療領域のいずれかの専門医を取得したうえでサブスペシャルティ領域専門医を取得する2段階制の仕組みを構築する.基本領域専門医は原則ひとつしか取得することができないと考えるが,後述するごとく,研修プログラムを完了して受験資格を得たものが複数の専門医を取得することを妨げるものではない.研修の完了や更新のために必要な診療実績を積むことを複数の診療領域でこなすのは容易ではない.18基本診療領域に加えて,検討会では新たに19番目の基本診療領域として“総合診療専門医”を設けることが提案され,最終報告書にその必要性とともに,その“医師像”,“育成の仕組み”等について詳細に記載されることになった.総合診療専門医は地域を診る医師としての位置づけが明確に示され,今後は多くの診療領域の医師が参加して専門医育成の研修プログラムを作成し,研修施設の認定を行っていく.また,医師のキャリパスの観点から“総合診療専門医”は他の診療領域の専門医からの移行を可能にする仕組みの構築も必要とされた.現在,“専認構”が専門医制度評価委員会においてヒアリングを行い,その結果妥当な制度設計であると評価し,認定証を発行している専門医制度は18基本診療領域と29サブスペシャルティ診療領域であ基本領域専門医消化器・呼吸器・内分泌代謝・腎臓・アレルギー・老年病・循環器・血液・糖尿病・肝臓・感染症・リウマチ・神経内科・消化器外科・呼吸器外科・心臓血管外科・小児外科 等サブスペシャルティ領域専門医総合診療臨床検査病理形成外科リハビリテーション科救急科放射線科泌尿器科眼科整形外科精神科小児科麻酔科脳神経外科耳鼻咽喉科産婦人科外科皮膚科内科図1新たな専門医制度の枠組み