カレントテラピー 32-11 サンプル

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50 Current Therapy 2014 Vol.32 No.111102梗塞,そして脳卒中リスクが有意に増加することが国内の大規模疫学試験から明らかにされている16).降圧目標を考えるうえで重要なことは,CVDの疾患別割合(特に心筋梗塞と脳卒中の死因に占める比率)が米国・西欧と日本とでは異なることである.米国・西欧では相対的に心筋梗塞が脳卒中よりも多いが,日本では高血圧の影響は心筋梗塞よりも脳卒中により特異的であり,脳卒中罹患率は心筋梗塞罹患率よりも男性で3~6倍,女性では4~12倍である.例えば一般住民を対象とした血圧とCVD(心筋梗塞,脳卒中)発症との関連について40 万人規模の国際コホート研究で検討した結果では,白人では相対的に心筋梗塞が多く,収縮期血圧120 mmHg未満でのさらなるCVD減少はなかった.しかし日本人を含むアジア人では相対的に脳卒中が多く,収縮期血圧110 mmHg台では脳卒中減少に伴うさらなるCVD減少が認められている.また,JALS 0次研究に参加した21コホートのうち,血清クレアチニン値を測定していた10地域コホートの40~89歳の30,657例を7.4年間追跡(1985~2003年)した研究では,CKDにおいても血圧レベルの低下に伴って,CVD発症リスクおよび全死亡リスクは直線的に低下した.介入試験においては,海外のCVD高リスク患者を対象としたONTARGET研究のサブ解析では,試トライアル期間トライアルおよびコホート期間尿蛋白/クレアチン比>0.22尿蛋白/クレアチン比≦0.22フォローアップ期間(年)累積発症率(%)1008060402000標準降圧治療厳格降圧治療コホート期間1 2 3 4 5 6 7 8 9 10図2The African-American Study on KidneyDisease(AASK)試験における厳格降圧と通常降圧の効果縦軸の累積発症率は血清クレアチニンの倍化,ESKDおよび死亡の複合エンドポイント.尿蛋白/クレアチニン比>0.22(尿蛋白0.3g/日相当)以上の群では,厳格降圧〔目標血圧125/75mmHg未満(平均動脈圧92mmHg未満)〕の効果を認めたが,尿蛋白/クレアチニン比≦0.22の群では,厳格降圧と通常降圧〔目標血圧140/90mmHg未満(平均動脈圧107mmHg未満)〕の間で差を認められなかった.〔参考文献14)より引用改変〕脳卒中を除いた心血管イベントと全死亡率のJ型現象収縮期血圧尿蛋白が1g/日未満のCKD心不全と脳卒中を含めた心血管イベント腎イベント拡張期血圧12070HOTONTARGETACCORDHOPEAASKMDRDADVANCEAASKMDRDINVEST尿蛋白が1g/日以上のCKDJaffer et al130 14080 90図3CKDの降圧目標140/90mmHg未満への降圧療法が心血管イベント発症リスクや死亡リスクを軽減することは明らかであるが,特に尿蛋白1g/日以上においてESKDと死亡について厳格降圧群の優位性が認められた.一方,糖尿病非合併CKDにおいては,より厳格な降圧目標(130/80mmHg未満)の意義に関しては必ずしも明らかではなく,CKDでは120mmHg未満という低いレベルでは脳卒中以外の心血管イベントリスクが上昇する可能性が否定できない.〔参考文献17)より引用改変〕