カレントテラピー 32-11 サンプル

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カレントテラピー 32-11 サンプル

Current Therapy 2014 Vol.32 No.11 13CKDにおける心血管疾患の病態1065の血管内皮障害がアルブミン尿出現,CKD発症に関与することを示し得たことになる.またAMPK活性化能を有する薬剤メトホルミン投与で同様結果が得られることも示した.3)NOS阻害物質の蓄積CKDでは内因性NOS阻害物質であるasymmetricdimethylarginine(ADMA), N-monomethylargine(L-NMMA)が蓄積する.CKDのみならず,高血圧,動脈硬化,多発性硬化症等の疾患患者でも血中濃度が亢進することが知られており,CKDとCVDの重要な連関機序として認識されている16).タンパクのアルギニン残基のguanidino 窒素がprotein arginine methyltransferase(PRMT)によってメチル化され,タンパク分解に伴ってADMA,L -NMMAが遊離される.両者はdimethylargininedimethylaminohydrolase(DDAH)によってL -citrullineとmethylamine(dimethylamine)に代謝分解される.CKDにおけるADMA, L -NMMA蓄積はDDAHの発現・活性低下とPRMT活性の亢進によることが明らかにされた17).DDAH活性の亢進とPRMT活性を抑制することで内皮機能が回復することも示されている.4)酸化ストレスCKDは酸化ストレス亢進状態でもあり,活性酸素種はNOと反応しperoxynitrite(ONOO-)形成等を経て,内皮機能障害の原因となる.ONOO-は同時に蛋白のチロシンをニトロ化する.CKDにおける活性酸素種産生源としては,NAD(P)H oxidase,Advanced Glycation End Product(AGE),uncoupledNOS, xanthine oxidase等が報告されており,輻輳して酸化ストレス亢進に関与していると考えらControl DM DM +ARBROS NO1.02.03.004.05.06.0Serum BH4( mg/mL)Control DM +ARB†*:P<0.05 vs. Control†:P<0.05 vs. DMActineNOSDimer eNOSMonomer eNOSControl DM DM + LOS4.008.012.0Dimer/monomereNOSControl DM +ARB****:P<0.05 vs. Control†:P<0.05 vs. DM†*:P<0.05 vs. Control†:P<0.05 vs. DM04.05.0UAE( mg/day)Control DM +ARB†A BC D2.03.01.0図4 糖尿病糸球体におけるeNOS uncouplingとNO/活性酸素種産生の不均衡糖尿病糸球体ではNO産生が低下し鏡像的に活性酸素種(ROS)産生が亢進している(A).NO/ROSの不均衡はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)により改善される.NO産生酵素であるNOS蛋白は同一酵素内に酸化と還元能を有する酵素である.L -アルギニン,補酵素であるBH4が不足した状態では,NADPH酸化により生じた電子は酸素分子に供与され,O2-が生成される(uncoupling).糖尿病糸球体ではNOSuncouplingが生じている(B).ARB治療により血中BH4レベルは回復し(D),同時にアルブミン尿が改善される(C).〔参考文献13)より引用改変〕