カレントテラピー 32-10 サンプル

カレントテラピー 32-10 サンプル page 19/32

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 32-10 サンプル の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 32-10 サンプル

Current Therapy 2014 Vol.32 No.10 77代替療法1025される.しかしこれらの術式の侵襲は大きいと言わざるを得ず,全身合併症を有し臓器の予備能が低下している高齢者には適応は限られる.Ⅳ 椎体骨折の治療に関するこれからの課題世界一の長寿国であるわが国では,椎体骨折によってADLが著しく損なわれる患者は益々多くなると予想される.Vertebroplastyは低侵襲で早期に症状を軽快させる有効な手術手技である.しかし,椎体骨折に対しては保存療法が奏効する例があることも事実である.したがって,どのようなタイプの椎体骨折にどのような保存療法が有効であるのか,このことに関するエビデンスを積み重ねて,確かな保存療法を提示することをまずは検討すべきであろう.そのうえで,椎体骨折に対するvertebroplastyの治療的位置づけを考えていく必要がある.参考文献1) 網代泰充,徳橋泰明:椎体骨折と圧迫骨折.用語解説,骨粗鬆症性椎体骨折編.脊椎脊髄 26:759-760, 20132) 森 論史,宗圓 聰,萩野 浩ほか:椎体骨折評価基準.Osteoporo Jpn 21:25-32, 20133) 藤原佐枝子:骨粗鬆症性椎体骨折の疫学.日整会誌 85:923-927, 20114) Lunt M, O’Neill TW, Felsenberg D, et al;European ProspectiveOsteoporosis Study Group:Characteristics of a prevalentvertebral deformity predict subsequent vertebral fracture:results from the European Prospective OsteoporosisStudy(EPOS). Bone 33:505-513, 20035) Kado DM, Browner WS, Palermo L, et al:Vertebral fracturesand mortality in older womam:a prospective study.Arch Intern Med 159:1215-1220, 19996) Trone DW, Krotz-Silverstein D, von Muhlen DG, et al:Isradiologic vertebral fracture a risk factor for mortality? AmJ Epidemiol 166:1191-1197, 2007A B C図385歳,男性.腰痛と右L4神経根障害を有した症例A:ミエログラム側面像.第四腰椎が扁平化し,椎体後壁が脊柱管内に突出し,硬膜管を圧迫している.B:術前のMRI,T2強調像.第四腰椎が偽関節を呈しており,後壁損傷も認めた.C:これに対して第四腰椎椎体内にはHA顆粒を充填し,vertebroplastyを行い,L4椎弓切除とL2, 3, 5に椎弓根スクリューを用いて後方固定術を行った.〔「安田剛敏,中野正人,川口善治,堀 岳史,金森昌彦,木村友厚:骨粗鬆性椎体偽関節による遅発性神経麻痺の病態と後方インストゥルメント併用の椎体形成術の手術的治療,別冊整形外科No.60 骨粗鬆症─新たなる骨折を防ぐ最新の治療戦略(遠藤直人編),p.120, 2011,南江堂」より許諾を得て転載〕02468100246810腰痛のVASの推移下肢痛のVASの推移術前術後1カ月最終調査時術前術後1カ月最終調査時図4HAによる椎体形成術+椎弓切除術による後方除圧+後方固定術を施行した26例の腰痛,下肢痛の推移(VAS値で表した)術後腰痛,下肢痛は軽快した.