カレントテラピー　32-1　サンプル page 8/34

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カレントテラピー　32-1　サンプル

Current Therapy 2014 Vol.32 No.1 11インフルエンザの診断と治療11なってきている（2012/13シーズン 60歳代，70歳代の報告は12例）．インフルエンザ脳症の原因ウイルスは，そのシーズンでの流行ウイルスの分布を反映しており，A/H1，A/H3，B型のどの型でも発生があり得る．Ⅴ インフルエンザウイルスの分布状況とワクチン株，薬剤耐性ウイルスの状況2009/10シーズンは，2009年に発生したパンデミックインフルエンザA/H1N1pdm09が圧倒的に主流であった．2010/11シーズンも同様にA/H1N1pdm09が流行の主流を占めたが，A/H3亜型（香港型）やB型インフルエンザの流行もみられた．2011/12シーズンはA/H3が流行の中心であり，A/H3が中心となる流行は2006/07シーズン以来であった．また，過去2シーズンで多数を占めていたA/H1N1pdm09は大きく減少し，ほとんどみられなくなった．B型はA/H3の流行が過ぎてからビクトリア系統が出現し，その後B型山形系統が加わった形になっている．2012/13シーズンも同様にA/H3が主流であり，B型はA/H3の流行のピークが過ぎて現れてきているが，山形系統のB型が多くを占めている．A/H1N1pdm09は同様にほとんど検知されていない（図3）．なお，A/H1N1（ソ連型）は海外も含めて検知されなくなっており，季節性インフルエンザのソ連型はA/H1N1pdm09に完全に置き変わったといってよい．国内ではここ2シーズンA/H1N1pdm09はきわめて少数となっているが，海外ではかなり多数を占める地域もあり，2013年には欧米においてA/H1N1pdm09による重症者の増加が話題となった．図4にWHOによる北半球・南半球別のウイルス検知状況を示したが，2013年の南半球の流行ではかなりの数のA/B（系統不明）B（山形系統）B（ビクトリア系統）A（H3）A（H1）（季節性）A（H1）pdm09B（系統不明）B（山形系統）B（ビクトリア系統）A（H3）A（H1）（季節性）A（H1）pdm09B（系統不明）B（山形系統）B（ビクトリア系統）A（H3）A（H1）（季節性）A（H1）pdm09024681012010020030040050060070080090002004006008001,000検出報告数検出報告数検出報告数36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 2829 30 31 32 33 34 3536 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 2829 30 31 32 33 34 3536 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 2829 30 31 32 33 34 35201320122011 2012201320142011/12シーズン2012/13シーズン2013/14シーズン年週年週年週図3　週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数，2011/12～2013/14シーズン（病原微生物検出情報：2013年11月7日作成）各都道府県市の地方衛生研究所からの分離/検出報告を図に示した．（https://nesid3g.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data2j.pdf）