カレントテラピー 31-9 サンプル

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12 Current Therapy 2013 Vol.31 No.9898る(JDS値の併記は行わない).また,特定健診においては,システム変更や保健指導上の問題を避けるため,2013年3月31日まではJDS値を使用していたが,2013年4月1日以降は一斉にNGSP値に移行した(JDS値の併記は行わない).特定健診においてHbA1cのデータを時系列で評価する際には,この点に留意する必要がある.Ⅳ 「糖尿病予備群」を拾い上げるための検査とその根拠特定健診においては,糖代謝異常の判定で空腹時血糖値やHbA1cが用いられている.空腹時血糖値の正常域の上限は109mg/dLであるが,空腹時血糖値100~109mg/dLの領域は,75gOGTTによる境界型や糖尿病型が少なからずみられることから,正常域であるものの正常高値として取り扱う.特定保健指導レベル判定値としては空腹時血糖値の基準値が100mg/dLに設定されているが,これは正常高値の下限と対応しており,「糖尿病予備群」を早期に拾い上げるためである.また,空腹時血糖値110~125mg/dLの領域を境界域,空腹時血糖値126mg/dL以上を糖尿病域とよぶ.特定健診における受診勧奨判定値として,空腹時血糖値の基準値が126mg/dLに設定されているが,これは糖尿病域の下限と対応している.各々の空腹時血糖値に対応するHbA1cに関しては,さまざまな疫学的検討から,集団としては表2のようにまとめることができる7).ばらつきがあるため,個々の症例においては完全には一致しない.空腹時血糖値が正常高値や境界域にあるものに対しては,75gOGTTを行うことにより,正常型,境界型あるいは糖尿病型のいずれに属するかを判定することが勧められている.また,空腹時血糖値が糖尿病域にあるものに対しては,糖尿病が強く疑われるので,ただちに医療機関を受診させることが必要である.これに関連して,国民健康・栄養調査における,「糖尿病が強く疑われる人」・「可能性を否定できない人」の定義を確認したい1), 2).「糖尿病が強く疑われる人」とは,HbA1c(JDS)≧6.1%,または,質問票で「現在糖尿病の治療を受けている」と答えた人である.また,「糖尿病の可能性を否定できない人」とは,HbA1c(JDS)≧5.6%でかつ,「糖尿病が強く疑われる人」以外の人である.各々表2における③空腹時血糖値126mg/dL(糖尿病域下限),②空腹時血糖値110mg/dL(境界域下限)に対応するHbA1cが採用されている.Ⅴ 妊娠糖尿病妊娠中の糖代謝異常には,糖尿病が妊娠前からすでに診断されている糖尿病合併妊娠(preexistingdiabetes)と,妊娠中に発見される糖代謝異常(hyperglycemicdisorders in pregnancy)がある.後者には,「妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus:GDM)」と「妊娠中に診断された明らかな糖尿病(overt diabetesin pregnancy)」の2つがある(図4)3), 5).妊娠糖尿病の診断意義は,糖尿病に至らない軽い糖代謝異常でも児の過剰発育が起こりやすく周産期のリスクが高くなること,ならびに母体の糖代謝異①空腹時血糖値100mg/dL (正常高値下限):HbA1c(NGSP)5.6%[HbA1c(JDS)5.2%]*特定健診における保健指導レベル判定値の基準値②空腹時血糖値110mg/dL (境界域下限):HbA1c(NGSP)6.0%[HbA1c(JDS)5.6%]*わが国のメタボリックシンドロームの診断基準における糖代謝異常の基準値③空腹時血糖値126mg/dL (糖尿病域下限):HbA1c(NGSP)6.5%[HbA1c(JDS)6.1%]*特定健診における受診勧奨判定値の基準値表2空腹時血糖値に対応するHbA1cばらつきがあるため,個々の症例においては完全には一致しない.〔参考文献7)より引用改変〕