カレントテラピー 31-9 サンプル page 16/30
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カレントテラピー 31-9 サンプル
38 Current Therapy 2013 Vol.31 No.9924ている.疾患感受性遺伝子としての「rare variant」同定のため,ゲノム全体のうち,効果の強い遺伝子変化が期待される,タンパクをコードするエクソン部分に注目したり(全エクソーム解析),臨床像から適切な症例や家系を選択したりする工夫が行われている.特に全エクソーム解析では,全ゲノム解析に比べより多くの症例を短時間で解析できる利点がある.すでに,単一遺伝子病が強く疑われるが既知のMODY遺伝子などに変異がみつからない家系の解析や,GWASで得られた遺伝因子周辺でより強い「真」の遺伝因子を探索する解析,臨床像から強い遺伝因子の寄与が疑われる症例群を用いたエクソームの相関解析,などの報告18), 19)がある(図4).3 得られた遺伝因子の機能解析ヒトゲノムのうち,タンパクをコードしない95%以上の領域は,なにをしているのかは長らく不明であったが,ヒトゲノムの「機能地図」をつくるJAZF1CDC123/CAMK1DTSPAN8/LGR5THADAADAMTS9NOTCH2G6PC2KCNQ1UBE2E2C2CD4A/B2009MTNR1BGCKRGCKIRS1Human GenomeCompletedGenome-wideAssociation studies2007FTOSLC30A8HHEXCDKN2A/BIGF2BP2CDKAL1TCF2WFS12011SPRY2C6orf57PCNXL2HNF4AHMG20AZPLD1HUNKTCERG1LACHEKIF11CR2PEX5LLPIN2FLJ16165PLS1MARCH1C14orf70PTPRDAP3S2GRB14ST6GAL1VPS26AMAFAGLIS32012ANK1FITM2/R3HDML/HNF4AGCC1,PAX4PSMD6ZFAND3PEPDKCNK16CMIPWWOXGATAD2A/CILP2/PBX4TH/INSSREBFZMIZ1KLHDC5TLE1ANKRD55MC4RBCAR12013COBLL1MACF1Exome解析Imputationメタ解析2000PPARG2002KCNJ112004 2006TCF7L22008 2010BCL11AZBED3KLF14TP531NP1CHCHD9CENTD2HMGA2HNF1AZFAND6PRC1DUSP9ADCY5DGKB/TMEM195PROX1グレー:日本人を含む東アジア人で最初に報告された図3 2型糖尿病遺伝子の同定の歴史ステージ3:Replication63,896人で45SNPをタイピングステージ1:DiscoveryCase/control各1,000人で全エクソーム解析MAF>1%のSNPを約7万同定ステージ2:Association15,989人で約16,000SNPをタイピングさまざまな代謝関連形質で解析T2Dと相関したのは,COBLL1 N939D(MAF 12.5%, OR 0.88)MACF1 M2290V(MAF 23.4%, OR 1.10)・関連解析で有意差あり・機能的な変化が予想される(ミスセンスなど)・代謝関連形質との関連の既報あり,などSNPの選択図4 新しい遺伝因子の同定;全エクソーム解析の例〔参考文献19)より引用改変〕