カレントテラピー 31-8 サンプル

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Current Therapy 2013 Vol.31 No.8 7775画像診断の進歩― 最新技術とその臨床応用―企画順天堂大学大学院医学研究科放射線医学教授青木茂樹今回は,「画像診断の進歩-最新技術とその臨床」というタイトルで,最近の画像診断の進歩をモダリティー別および部位別に,その分野を専門とする先生方に執筆をお願いした.お陰様で,現状における画像診断の最新技術の臨床応用をコンパクトにまとめた特集になったと考えている.さて,私が医学部を卒業した1984年は,ちょうど日本で初めて超伝導MRIが導入され,その臨床応用が始まった年であった.また,医師国家試験にやっとCTが出題されはじめたころでもある.CTやMRIの臨床応用が始まってからの20年間の著しい進歩を知るものにとっては,最近の画像診断の進歩は少し物足りないところもある.しかし,新しいモダリティーこそ出現していないが,PACSの急速な普及など,特にITの進歩による読影環境の変化は著しく,この10年でX線フィルムというものがほとんどなくなった.もちろん,それぞれのモダリティーも着実に進歩していると思われる.最近数年での大きな進歩としては,①CTのさらなる多列化と高速化,dual energyや被曝の低減,②3T-MRIの普及や肝特異性造影剤,③超音波の造影剤やエラストグラフィー,④IVRの適応の広がりや種々の装置の組み合わせなどによる断層像や3D表示のIVR中での使用,などが挙げられる.異なるモダリティーの組み合わせとしては,IVR-CTは以前より存在していたが,PET -CT,PET -MRなどの新しい組み合わせも出現してきている.そのなかで,放射線診断医としてはCTの進歩が著しいと感じることが多い.多列化により一部の装置では頭部や心臓ではテーブル移動なしに臓器全体が撮影可能となったし,2管球装置では頸部から骨盤まで数秒でスキャンが可能である.また,逐次近似法などの,再構成法の進歩に伴い,CTにおけるX線被曝が非常に減少した.臨床へのインパクトの大きい進歩と考える.有効な治療のためには,正確な診断が必要なのはいうまでもないが,腫瘍の大きさの変化などの治療効果の判定にも画像の役割は大きく,ますます臨床現場で画像が使われることが多くなっていくと考える.本特集が,画像診断の進歩を広く伝え,治療に役立つことを願っている.エディトリアル