カレントテラピー 31-7 サンプル page 19/32
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カレントテラピー 31-7 サンプル
Current Therapy 2013 Vol.31 No.7 73代替療法739テーテル的アブレーション治療法は副腎摘出術に比べてまだ不確かな治療法ではあるが,低侵襲であり,副腎摘出術が困難あるいは希望されない症例に対する代替療法となり得る可能性がある.今後の研究,および治療効果のエビデンスの集積が待たれる.なお,これらの治療方法は標準的治療ではないので,各施設での倫理委員会の承認,および,患者への十分な説明と同意のもとに行う必要がある.Ⅳ 薬物治療による代替療法PAの両側性病変に対しては,原則,アルドステロンブロッカーを主体とした薬物療法が推奨されているが,その治療中に寛解する現象がArmaniniらにより報告されている6),7).また,Fischerらはその頻度を5.4%と報告している8).さらに最近では,Lucatelloらがその頻度がさらに高いことを報告している9).一方,われわれは,長期SP投与が片側性のPAの寛解を引き起こし,心血管合併症の著しい改善をみた症例を報告している.この症例では著明な低K血症,心肥大を認めていたが,SP投与で改善し,さらにはSP中止後もその改善は継続し,最終的には内分泌学的負荷試験および,副腎静脈サンプリング(adrenal venous sampling:AVS)によっても寛解を証明した(図2)10).1992 AVSIVC Rt-adrenal vein Lt-adrenal veinPAC(pg/mL) 247 1,430 24,900Cortisol(μg/dL) 8.2 247 460A/C 30 5.8 54.12007 AVSIVC Rt-adrenal vein Lt-adrenal veinPAC(pg/mL) 131 2260 855Cortisol(μg/dL) 10 181 50A/C 13 13 1741歳男性,低K血症,難治性高血圧75 50 スピロノラクトン(mg/日)5 エナラプリル(mg/日)75 50 スピロノラクトン(mg/日)5 エナラプリル(mg/日)(年) 1992 2002 2007 2011IVSTd(mm) 18 12 12 10PWTd(mm) 19 13 12 10LVDd(mm) 51 47 48 55LVM(g) 557 266 259 252LVMI(g/m2) 305 146 142 138sBPdBPPRA(ng/mL/時)PAC(pg/mL)Bloodpressure(mmHg)1993199820022007600400200200100003020100PRAPAC図2 片側性原発性アルドステロン症におけるアルドステロンブロッカーによる寛解〔参考文献10)より引用改変〕