カレントテラピー 31-7 サンプル page 18/32
このページは カレントテラピー 31-7 サンプル の電子ブックに掲載されている18ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
カレントテラピー 31-7 サンプル
72 Current Therapy 2013 Vol.31 No.7738増加していることもあり,これらの代替治療法がPAにどのような効果があるか検討する必要が今後はあるのかもしれない.Ⅲ 片側性病変に対する代替療法PAの片側性病変に対しては標準的には腹腔鏡を用いた患側の副腎摘出術が推奨されているが,その適応に関して,年齢などの詳細ははっきりしていない.超高齢者においても片側性病変であれば手術が推奨されるべきなのか,このような問題に関しては,患者の医学的な状態や患者をとりまく社会的環境などを総合的に考慮し,その手術適応が決められているのが現状である.よって腹腔鏡下副腎摘出術が適さない,あるいは希望されない症例に対する代替療法が必要になってくる.その代替となる治療がこれまでにいくつか提案され,実際行われている.副腎摘出術より低侵襲なものとして,最近では超音波あるいはCTガイド下の経皮的なラジオ波による腫瘍焼灼や,エタノール注入による腫瘍のアブレーションなどが報告されている1)~3).しかし,その有効性や安全性は期待されつつもまだ確定していない.1990年代では経カテーテル的にエタノールを用いた腫瘍栄養動脈の塞栓術の報告がある4),5).その治療効果は数年程度と一時的であるため,この治療法は最近ではほとんど行われていないと思われる.われわれが過去に経カテーテル的にエタノールを用いた動脈塞栓術を行った症例では,最終的に再発を10年後にはきたしたが,その間,アルドステロン・レニン比は200以上を継続するも,血清アルドステロン値は低下し,治療抵抗性高血圧も,カルシウム(Ca)チャンネルブロッカー1剤のみで良好にコントロールされた.また,Cornell index(心肥大評価指数)や尿中アルブミン排泄量が改善した(図1).最近では,局在診断のために超選択的副腎静脈サンプリングを行う施設が増えてきているが,この技術を用いれば,静脈側からのアプローチで副腎の病変部に対するアブレーションといった治療の可能性も今後は出てくるのではないかと思われる.超音波あるいはCTガイド下の経皮的なラジオ波による腫瘍焼灼やエタノール注入による腫瘍アブレーション,経カ6080100120160140(mmHg)右副腎動脈塞栓術アムロジピンスピロノラクトンK(mEq/L) 3.3PRA(ng/mL/時)<0.2 <0.2PAC(pg/mL) 260180200エナラプリルバルニジピンニルバジピン4.0<0.21134.40.2250U-Alb(mg/g・Cr) 79 18HbA1c(%) 6.5Cornell index 2,730 1,978血圧1074.34.01996 2000 2004 2008図1右副腎動脈塞栓術後臨床経過