カレントテラピー 31-4 サンプル

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治療薬解説Cumulative Hazard Rate1.00.80.60.40.20.050.040.030.020.01ダビガトラン,220mg/日群ワルファリンダビガトラン,300mg/日群0.000 6 12 18 24 30No. at Riskワルファリンダビガトラン,220mg/日群ダビガ....

治療薬解説Cumulative Hazard Rate1.00.80.60.40.20.050.040.030.020.01ダビガトラン,220mg/日群ワルファリンダビガトラン,300mg/日群0.000 6 12 18 24 30No. at Riskワルファリンダビガトラン,220mg/日群ダビガトラン,300mg/日群0.00 6 12 18 24 306,0226,0156,0765,8625,8625,9395,7185,7105,7794,5934,5934,6822,8902,9453,044(月)1,3221,3851,429図2RE-LY試験の成績(主要評価項目-脳卒中または全身性塞栓症-)〔参考文献3)より引用改変〕における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制”に保険適用が認められているのは,リバーロキサバンのみである.1リバーロキサバン1)薬理学的特徴本剤は,第Ⅹa因子を選択的,競合的,可逆的に阻害することで抗凝固作用を呈する.剤形は錠剤であり,内服後すみやかに吸収される.最高血中濃度到達時間(Tmax)は2~4時間,半減期(T1/2)は7~11時間と,ダビガトランと大差はないが,ダビガトランが1日2回投与であるのに対し,リバーロキサバンは1日1回投与である.欧米で行われた急性深部静脈血栓症患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験の結果から,NVAF患者のリバーロキサバン至適用量は20mg/日であり,1日1回投与と2回投与の間には有効性に差がなく,1回投与のほうが出血リスクの用量依存性がやや強いことが示唆された12).このため,後述するRivaroxaban Once daily oral direct factorXa inhibition Compared with vitamin K antagonismfor prevention of stroke and Embolism Trialin Atrial Fibrillation(ROCKET AF)試験では,リバーロキサバン20mg 1日1回投与が選択された.生物学的利用率はほぼ100%であるが,33%が未変化体のまま腎より排泄される.残りの67%は,チトクロームP450 3A4(CYP3A4)による代謝を経て,尿,胆汁あるいは糞便中に排泄される.そのため,クレアチニンクリアランス15mL/分未満の腎機能障害例,中等度以上の肝機能障害例(Child -Pugh分類BもしくはC相当),HIVプロテアーゼ阻害薬やアゾール系抗真菌薬服用例などは,投与禁忌とされる.2)大規模臨床試験のエビデンスROCKET AF試験は,NVAF患者におけるリバーロキサバン20mg 1日1回投与の脳卒中と全身性塞栓症の予防に対する有効性および安全性に関し,ワルファリンと比較した多施設共同第Ⅲ相臨床試験である13).本試験では,心不全/左室駆出率≦35%,高血圧,75歳以上,糖尿病のうち2つ以上の危険因子を有するNVAF患者14,264例を対象に,約2年間の追跡観察が行われた.有効性の主要評価項目である脳卒中および全身性塞栓症に関しては,リバーロキサバンのワルファリンに対する非劣性が検証された(図3).リバーロキサバン群では,全身性塞栓症がワルファリン群より有意に少なく,脳卒中も少ない傾向にあった.また,大出血および臨床的に問題となる出血事象は,リバーロキサバン群とワルファリン群で有意差はないものの,頭蓋内出血および致死的出血は,リバーロキサバン群で有意に低率であった.ROCKET AF試験には日本人は含まれておらず,同様のプロトコールで日本人を対象としたJ-ROCKETCurrent Therapy 2013 Vol.31 No.442779