カレントテラピー 31-4 サンプル page 18/30
このページは カレントテラピー 31-4 サンプル の電子ブックに掲載されている18ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。
概要:
開始反応(外因系)Ⅶ組織因子/ⅦaⅩⅨワルファリンⅨa増幅反応Ⅹa/ⅤaⅧa第Xa因子阻害薬リバーロキサバンアピキサバンエドキサバンプロトロンビン(Ⅱ)トロンビン(Ⅱa)直接トロンビン阻害薬ダビガトランフィブリ....
開始反応(外因系)Ⅶ組織因子/ⅦaⅩⅨワルファリンⅨa増幅反応Ⅹa/ⅤaⅧa第Xa因子阻害薬リバーロキサバンアピキサバンエドキサバンプロトロンビン(Ⅱ)トロンビン(Ⅱa)直接トロンビン阻害薬ダビガトランフィブリノーゲンフィブリン生成反応フィブリン図1経口抗凝固薬の作用機序〔参考文献2)より引用改変〕用を示す薬剤も多い.さらに,半減期は1.5~2.5日と比較的長いうえ,日本人はワルファリンに過敏な遺伝子多型を有する割合が高く,服用量の微調整が難しいとされる.このような古典的経口抗凝固薬のもつ欠点を改善すべく,新規経口抗凝固薬が開発された.凝固カスケードにおける標的因子を選択的に阻害し,ビタミンKによる影響を受けにくいことが特徴である.直接トロンビン阻害薬は,フィブリン形成の最終段階であるトロンビン(第Ⅱa因子)の形成過程に作用点をもち,第Ⅹa因子阻害薬は,その直前の凝固因子である活性化第Ⅹ因子(第Ⅹa因子)を直接的かつ可逆的に阻害する(図1)2).現在,臨床使用可能あるいは製造・販売承認を取得した新規経口抗凝固薬は4種類であり,各薬剤の特徴を表に示す.Ⅲ直接トロンビン阻害薬・ダビガトラン1)薬理学的特徴本剤は,ダビガトランエテキシラートとして服用されるプロドラッグである.生体内でエステラーゼによる代謝を受け,活性型のダビガトランとなり,消化管から吸収される.生物学的利用率は6.5%ときわめて低く,腸管からの吸収率向上のために,本剤には,pHを下げる酒石酸粒子が梱包されている.有害事象として多い消化不良(dyspepsia)の一因であると考えられている.ダビガトランの代謝は,腎排泄が主体であるため,腎機能障害例および高齢者では,血中濃度の上昇が危惧される.クレアチニンクリアランス30~50mL/分あるいは70歳以上のケースでは,通常用量(300mg/日)から低用量(220mg/日)に減量することが推奨されており,クレアチニンクリアランス30mL/分未満の高度腎機能障害例には投与禁忌である.薬剤の相互作用は,ワルファリンと比べるときわめて限定的であるが,腸管での排泄に関係するP -Current Therapy 2013 Vol.31 No.442577