カレントテラピー 31-3サンプル

カレントテラピー 31-3サンプル page 19/30

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Ⅶ組織因子/ⅦaワルファリンⅩⅨⅩa/VaⅧaⅨaFXa阻害薬リバーロキサバン,アピキサバンエドキサバンプロトロンビントロンビン直接トロンビン阻害薬ダビガトランフィブリノーゲンフィブリン図1血液凝固カスケードにお....

Ⅶ組織因子/ⅦaワルファリンⅩⅨⅩa/VaⅧaⅨaFXa阻害薬リバーロキサバン,アピキサバンエドキサバンプロトロンビントロンビン直接トロンビン阻害薬ダビガトランフィブリノーゲンフィブリン図1血液凝固カスケードにおける経口抗凝固薬の作用点〔参考文献1)より引用改変〕Ⅱ血液凝固カスケードにおける作用点と特徴ワルファリンは血液凝固因子のうちビタミンK依存性のⅡ,Ⅶ,Ⅸ,Ⅹ因子を減少させることにより2次的に凝固作用を発揮する.凝固因子はワルファリン服用後にもすぐ減少するわけではなく効果発揮に4日以上を要する.また,肝臓でほぼ100%代謝され,CYP2C9が主たる役割を果たしている.したがって,ビタミンKを多く含む納豆,クロレラ,青汁,モロヘイヤなどはその作用を減弱し,CYP2C9で代謝される他の薬剤の併用により作用は増強される.一方,経口抗トロンビン薬ダビガトラン,経口Xa因子阻害薬リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンともワルファリンと異なり,ビタミンK非依存性であるため食物の影響を受けない(図1)1).いずれも最高血中濃度到達時間,半減期はワルファリンに比べて短く,服用したその日から効果は出現する.ダビガトランは肝臓で代謝を受けず,プロドラッグであるダビガトランエテキシレートが吸収されると血中で活性体であるダビガトランになるが,他の薬剤はいずれもCYP代謝を受ける.エドキサバンについては肝臓での代謝は10%未満であり限定的である.いずれの薬剤も消化管でのP糖タンパクによる排泄が関与するが,P糖タンパク阻害薬による相互作用の程度も薬剤により異なる.例えばダビガトランでは,ベラパミル,アミオダロンを併用する場合には110mg 1日2回を使用するが,リバーロキサバンでは用量調整をする対象にはなっていない.今後,他の薬剤が承認された場合にも,それぞれの薬剤相互作用が異なる可能性があるので注意したい.また,腎臓での排泄率はダビガトランが80%と最も高く,Xa因子阻害薬でも薬剤により異なることから今後承認された場合にはそれぞれの薬剤の特徴をよく理解して使い分ける必要があるだろう.なお,ダビガトラン,アピキサバンは1日2回投与,リバーロキサバン,エドキサバンは1日1回投与で試験が行われたが,1日1回投与の薬剤が1日2回投与の薬剤に比べて半減期が長いわけではない.Ⅲ適応疾患:心房細動1 Net Clinical Benefitという概念Singerらは,ワルファリンの臨床的有用性を「塞栓症の減少効果-1.5×頭蓋内出血の増加」と定義している2).抗血栓薬は,塞栓症の予防効果という利点と出血合併症の増加という欠点を合わせもつ諸刃の剣である.出血のなかでも特に重篤な頭蓋内出血を1.5倍して,利点である塞栓症の減少効果から引くことにより,予防薬としてのバランスを考慮した指標となっている.ワルファリンでは図2に示すCurrent Therapy 2013 Vol.31 No.332587