カレントテラピー 31-2サンプル page 25/34
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わらず,心拍数が低下していない.この場合には,脂溶性から水溶性のβ遮断薬(ビソプロロール,アテノロールなど)の切り替えによる血圧と心拍数の低下が期待できる4).また,交感神経系を十分に抑制するためには....
わらず,心拍数が低下していない.この場合には,脂溶性から水溶性のβ遮断薬(ビソプロロール,アテノロールなど)の切り替えによる血圧と心拍数の低下が期待できる4).また,交感神経系を十分に抑制するためには,α遮断薬+β遮断薬の両者の併用療法がより有効である4),5), 30).Ⅵクロノセラピー自由行動下24時間血圧測定(ambulatory bloodpressure monitoring:ABPM)で診断された真の治療抵抗性高血圧や仮面型の治療抵抗性高血圧では,朝のみの服薬でなく,夕食後や就寝前に服薬することで,血圧コントロール17), 18)18や予後)が改善することが示された.Hermidaらは,治療抵抗性高血圧患者において降圧薬の処方数を変えずに投与時間を変更するクロノセラピーが,24時間の血圧プロフィールを改善するかについて検討した17).3剤の降圧薬を朝に服薬するも,診察室血圧,ABPMによる昼間血圧,夜間血圧がコントロール不十分である治療抵抗性高血圧患者を対象とした.すべての降圧薬の服薬を朝1回とする群(グループ1,125症例)と利尿薬とRAS阻害薬を朝服薬させ,もう1剤を就寝時に服薬させる群(グループ2,125症例)に無作為に割り付けた.グループ2では各時間帯の血圧が有意に変化し,特に夜間血圧低下が大であった.さらに,non -dipperの頻度はグループ2において有意に減少していた17).この結果より,治療抵抗性高血圧では降圧薬を追加する前に降圧薬の服薬時間を変える,あるいは分割投与するなどのクロノセラピーも有効であることが示された17), 18).Ⅶおわりに治療抵抗性高血圧における併用療法について概説した.第3あるいは第4次薬としてのアルドステロンブロッカーのエビデンスが蓄積されてきている.利尿薬やアルドステロンブロッカーに治療抵抗性な症例では,交感神経系が亢進している場合が多く,α遮断薬+β遮断薬の併用療法による降圧が期待できる.また,治療抵抗性高血圧に対するクロノセラピーの有効性も報告されてきた.なお,多剤併用や高用量の投与により副作用や過度の血圧低下が起こりやすいため,十分な注意が必要である.適切な時期に高血圧専門医にコンサルテーションすることが望ましい.参考文献1)日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会:高血圧治療ガイドライン2009.ライフサイエンス出版,東京, 20092)Calhoun DA, Jones D, Textor S, et al:Resistant hypertension:diagnosis,evaluation, and treatment. A scientific statementfrom the American Heart Association ProfessionalEducation Committee of the Council for High Blood PressureResearch. Hypertension 51:1403-1419, 20083)Sander GE, Giles TD:Resistant hypertension:concepts andapproach to management. Curr Hypertens Rep 13:347?355,20114)Mann SJ:Drug therapy for resistant hypertension:simplifyingthe approach. J Clin Hypertens(Greenwich)13:120 -130, 20115)Pimenta E, Calhoun DA:Resistant hypertension and aldosteronism.Curr Hypertens Rep 9:353-359, 20076)Hanselin MR, Saseen JJ, Allen RR, et al:Description of antihypertensiveuse in patients with resistant hypertension prescribedfour or more agents. Hypertension 58:1008 -1013,20117)Lane DA, Shah S, Beevers DG:Low -dose spironolactone inthe management of resistant hypertension:a surveillancestudy. J Hypertens 25:891-894, 20078)Ouzan J, Perault C, Lincoff AM, et al:The role of spironolactonein the treatment of patients with refractory hypertension.Am J Hypertens 15:333-339, 20029)Nishizaka MK, Zaman MA, Calhoun DA:Efficacy of low -dose spironolactone in subjects with resistant hypertension.Am J Hypertens 16:925-930, 200310)Chapman N, Dobson J, Wilson S, et al;Anglo-ScandinavianCardiac Outcomes Trial Investigators:Effect of spironolactoneon blood pressure in subjects with resistant hypertension.Hypertension 49:839-845, 200711)Mahmud A, Mahgoub M, Hall M, et al:Does aldosterone -to-renin ratio predict the antihypertensive effect of the aldosteroneantagonist spironolactone? Am J Hypertens 18:1631 -1635, 200512)Alvarez-Alvarez B, Abad-Cardiel M, Fernandez-Cruz A, etal:Management of resistant arterial hypertension:role ofspironolactone versus double blockade of the renin-angiotensin-aldosteronesystem. J Hypertens 28:2329-2335, 201013)Vaclavik J, Sedlak R, Plachy M, et al:Addition of spironolactonein patients with resistant arterial hypertension(ASPIRANT):a randomized, double -blind, placebo -controlledtrial. Hypertension 57:1069-1075, 201196Current Therapy 2013 Vol.31 No.2208