カレントテラピー 31-2サンプル

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(mmHg)10収縮期血圧拡張期血圧0-20-10-24-11-25-11-23-11-26-14-32-14-10血圧低-20下-30-40-501カ月(n=138)3カ月(n=135)6カ月(n=86)12カ月(n=64)18カ月(n=36)24カ月(n=18)図3....

(mmHg)10収縮期血圧拡張期血圧0-20-10-24-11-25-11-23-11-26-14-32-14-10血圧低-20下-30-40-501カ月(n=138)3カ月(n=135)6カ月(n=86)12カ月(n=64)18カ月(n=36)24カ月(n=18)図3治療抵抗性の本態性高血圧患者138人に対する腎神経アブレーションから2年間の血圧の変化5種類以上の降圧薬を内服しても平均血圧は治療前に176/98mmHgであったが,治療から6カ月後に血圧は25/11mmHg低下し,2年後にも32/14mmHg低下している.〔参考文献10)より引用改変〕(ng/分)100腎でのNEスピルオーバー(ng/分)800全身でのNEスピルオーバー80600604020アブレーション前血圧161/107血漿レニン活性0.30腎血漿流量719030日後144/900.151,1264002000アブレーション前30日後図4腎神経アブレーションによる,腎臓および全身の交感神経活動(NEスピルオーバー)の低下腎神経アブレーションにより,遠心性腎交感神経活動だけでなく,全身への遠心性交感神経活動も低下した(7種類の降圧薬を要する本態性高血圧の1例).〔参考文献11)より引用改変〕感神経活動も低下した.これらの結果は,アブレーションで腎神経だけを傷害したはずなのに,全身への遠心性交感神経活動も低下したことを表している.2腎神経をアブレーションすることにより,なぜ全身の遠心性交感神経活動が低下したのかアブレーションにより遠心性の腎交感神経のみが傷害されたとすると,全身のNEスピルオーバーや下腿の筋交感神経活動の低下,すなわち腎以外の全身の遠心性交感神経活動も低下した理由が説明できない.これについては次のように考えると理解される.本態性高血圧や慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)では,求心性腎神経の電気活動が亢進していることが示されている.Campeseのグループ12), 13)はCKDのモデルとして,10%フェノールを注入し腎実質傷害ラットを作成した.腎実質傷害により後部視床下部におけるNEのターンオーバーが亢進し,全身血圧が上昇した.NEターンオーバーの亢進は交感神経活動亢進を意味する.また微小透析プローブを留置して測定したところ,CKDラットでは後部視床下部におけるNE濃度が増加して70Current Therapy 2013 Vol.31 No.2182