カレントテラピー 31-12 サンプル

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カレントテラピー 31-12 サンプル

Current Therapy 2013 Vol.31 No.12 65特殊な機能性消化器疾患へのアプローチ1255長期間型であり,退薬症状が出にくい.例)メイラックスR(1mg)2錠,分2,朝夕食後3)クロチアゼパム(リーゼR)ベンゾジアゼピン系の抗不安薬である.消化器系心身症,循環器系心身症における不安,緊張,焦燥感などに対して有用である.例)リーゼR(10mg)3錠,分3,毎食後4)エチゾラム(デパスR)チエノジアゼピン系の抗不安薬である.不安,緊張,抑うつ,不眠に対して効果がある.抗不安とともに鎮静作用,催眠作用,筋弛緩作用などが強い.例)デパスR(0.5mg)3錠,分3,毎食後5)タンドスピロン(セディールR)セロトニン作動性の抗不安薬である.薬物依存性や眠気,ふらつきなどの頻度が比較的少なく,処方しやすい薬剤である.不安,抑うつのみならず,ストレスが関与して症状に影響を与えているような場合のストレスケアとしても期待できる.例)セディールR(10mg)3錠,分3,毎食後2 抗うつ薬三環系,四環系,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor:SSRI),セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(serotonin-noradrenaline reuptake inhibitor:SNRI),ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(noradrenergic and specificserotoninergic antidepressant:NaSSA)などの種類がある.従来から用いられてきた三環系(アミトリプチリン,イミプラミン,ノルトリプチリン,desipramineなど)は強力な抗うつ効果があるが,抗コリン作用による口渇,便秘,尿閉などの副作用を伴う.そのような副作用対策として,緩下剤やコリン作動性の排尿促進薬を併用する.一方,四環系(マプロチリン,ミアンセリン,セチプチリン)は三環系の効果と副作用をマイルドにしたものである.またSSRIはマイルドな抗うつ効果があり,強迫,衝動,過食などにも効果がある.三環系のような抗コリン作用による副作用は少ないが,嘔気,嘔吐,下痢などの消化器症状の副作用の頻度が高い.特に投与後1週間以内という治療早期に副作用がみられ,数週間で症状は和らぐ.消化器症状の発現はフルボキサミンで多く12),下痢はセルトラリンで多いと報告されている13).この消化器症状は5-HT3受容体刺激によるものである.この副作用対策としてはモサプリド(ガスモチンR)などの投与を行う.SNRIはマイルドな抗うつ効果があるとともに,抗コリン作用による副作用は少なく,SSRIに比べて意欲の改善に対する効果が大きいという特徴がある.さらに,NaSSAはSSRIやSNRIにみられるような消化器症状が少ない.1)ドスレピン(プロチアデンR)三環系抗うつ薬である.抗コリン性の副作用は臨床的には少なく,三環系のなかでは第一選択薬といえる.例) 内服開始時プロチアデンR(25mg)2錠,分2,朝夕食後その後,副作用がみられなければ,プロチアデンR(25mg)3~6錠,分3,毎食後2)ミアンセリン(テトラミドR)四環系抗うつ薬である.うつ病,うつ状態に対して用いるが,鎮静,催眠効果もある.例)テトラミドR(10mg)3錠,分3,毎食後3)パロキセチン(パキシルR)SSRIの薬剤である.最近,消化管に負担が少なく,副作用の消化器症状も少ないパキシルCRRが登場した.例)パキシルRCR(12.5mgまたは25mg)1日1回夕食後12.5~25mgで開始し,1~2週後に12.5mgずつ増量していく(最大50mg).4)ミルナシプラン(トレドミンR)SNRIの薬剤である.精神運動抑制に対する効果が優れている.