カレントテラピー　31-12　サンプル page 13/34

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カレントテラピー　31-12　サンプル

Current Therapy 2013 Vol.31 No.12 271217あるものの，有効な治療法があるため，見逃してはならない疾患である．ほかには，食道過敏性亢進や精神的要因の関与が指摘されている．Ⅲ 食道由来の非心臓性胸痛の診断表で示したとおり，NCCPの原因は多岐にわたる．したがって，ここでは推測されているNCCPの原因に応じた診断法について述べる．1　胃食道逆流1）PPIテストプロトンポンプ阻害薬（proton pump inhibitor：PPI）テストの有用性を検討したメタアナリシスでは，PPI投与後の胸痛残存のリスク比は0.54であったことからPPIテストの有用性が示された3）．また，もう一つのメタアナリシスでは，PPIテストの診断におけるオッズ比は19.35とプラセボでの0.61に比べてPPIテストの診断における有用性が示されている4）．さらに，米国ではPPIテストの費用対効果が検討されており，上部消化管内視鏡検査や24時間食道内pHモニタリングなどに比べて，費用対効果が優れていることが示されている．欧米と本邦では医療システムが異なるため，検査費および治療費が異なることを考慮すべきであるが，いずれにしてもPPIテストは診断的治療として有用であり，他の侵1．神経筋疾患3．肺疾患Tietze's syndromeCostochondritisFibromyalgiaPrecordial catch syndromeSlipping rib syndromePneumoniaPulmonary embolusLung cancerSarcoidosisPneumothorax and pneumomediastinumPleural effusionsIntrathoracic masses（benign and malignant）2．消化管疾患4．その他Gastric diseaseBiliary tree diseasePancreatic diseaseIntra-abdominal masses（benign and malignant）Aortic disordersPericarditis and myocarditisPulmonary hypertensionHerpes zosterDrug-induced painSickle cell crisisPsychological disorders表NCCPの原因〔参考文献1）より引用改変〕Nutcracker esophagusnon-specific esophagealmotor disorderDiffuse esophageal spasmHypertensive LESAchalasiaNormal14％11％3％1％1％70％図胃食道逆流が原因でないNCCP患者での食道運動障害の内訳〔参考文献2）より引用改変〕