カレントテラピー 31-11 サンプル

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Current Therapy 2013 Vol.31 No.11 11リスクとしての頸動脈プラーク1103では,頸動脈プラーク輝度が低いと冠動脈疾患再発リスクが高くなることが報告されている13).われわれはOSACA2研究のなかで,プラーク輝度を測定した625例を前向きに調査したところ,プラーク輝度は心血管イベントリスクと関連するものの,サイズが2mm以下の小さなプラークでは関連がみられず,2mm以上のプラークを有する群でのみ輝度評価とイベントリスクとの関連が示された(図5)14).プラーク輝度はプラークサイズの影響も大きく受けるため,プラーク輝度評価の臨床的意義についてはさらなる検討が必要と考えられる.Ⅴ 頸動脈プラークへの各種薬剤介入効果頸動脈IMTが心血管イベントの独立した予測因子であり,サロゲートマーカーとして提唱されて以来,多くの薬剤が頸動脈IMTを指標として抗動脈硬化作用が検討されてきている.スタチン製剤の頸動脈プラーク退縮効果は多くの報告があり,スタチ追跡期間The lowest tertile(IMT:-0.88)The middle tertile(IMT:0.90-1.18)The highest tertileTotal number:900 (IMT:1.20-)Log Rank Test:p<0.00011.000.900.950.850.800 1,000 2,000心血管イベント(-)生存率(日)図4頸動脈IMTと心血管イベント外来通院患者900例を対象とし,観察開始時に頸動脈IMTを計測し平均2.7年追跡調査したOSACA2研究の結果を示す.頸動脈IMT3分位ごとの解析では,最もIMTの肥厚のみられる群(IMT最高値群)で有意に心血管イベント発症が多く観察された.〔参考文献12)より引用改変〕追跡期間追跡期間心血管イベント(-)生存率1.00.80.60.40.20.0p=0.008最大プラーク厚>2.0mm n=335 最大プラーク厚≦2.0mm n=290high IBS indexlow IBS indexhigh IBS indexlow IBS indexp=0.80 2 4 6 8 10 0 2 4 6 8 101.00.80.60.40.20.0(年) (年)図5頸動脈プラーク輝度と心血管イベント外来通院患者625例を対象に,観察開始時にプラーク輝度を計測して平均6.4年追跡調査したOSACA2研究のサブ解析の結果を示す.プラーク厚が2.1mm以上では,プラーク輝度が低い群においてプラーク輝度高値群に比し有意に心血管イベントが発症リスクが高かった(左図).一方プラーク厚が2.0mm以下では,プラーク輝度と心血管イベントとの関連は明らかでなかった(右図).〔参考文献14)より引用改変〕