カレントテラピー 31-11 サンプル

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Current Therapy 2013 Vol.31 No.11 91101本稿でもIMTはプラークを含めたものとして記載する.頸動脈は総頸動脈,頸動脈分岐部,内頸動脈の3カ所に分け,各部位の遠位壁,近位壁でそれぞれIMTプラークの評価を行うのが一般的である(図1).われわれは,左右の各6カ所,合計12カ所の各部位での最大IMTを平均し,IMTとして採用している.またプラークについても,プラーク個数(プラークナンバー)とプラークスコア(各プラークの最大厚の積算)で評価している.さらに,脳梗塞の責任血管としての頸動脈病変を評価する際には狭窄率の計測が重要である(図1).頸動脈プラークはサイズだけではなく性状を評価することが望ましい.性状の評価には,輝度を定性的に,低輝度,等輝度,高輝度と評価する方法,エコー輝度が均質か不均質か,石灰化の有無,プラーク表面の潰瘍の有無などが評価項目となる.プラーク輝度の半定量的な評価には,grayscale median(GSM)法2)とintegrated backscatter(IBS)法3),4)があるが,いずれも血管外膜,血管内腔と比較してプラーク輝度を半定量的に算出するものである(図2).Ⅲ 頸動脈プラークと他血管動脈硬化病変との関連頸動脈IMTあるいはプラークスコアは他血管の動脈硬化指標とよい相関を示す.冠動脈造影施行症例で,冠動脈狭窄の有無とプラークスコアの関係をみたところ,プラークスコアが上昇するほど冠動脈aCCAICABIFbca1b1c1ABC図1頸動脈IMT,頸動脈狭窄率の計測上段:両側内頸動脈(S1),頸動脈分岐部(S2),総頸動脈(S3)の遠位壁,近位壁の最大IMTの平均値(Mean Max IMT)として求める.Mean max IMT=(a+a1+b+b1+c+c1+対側)/12下段:頸動脈狭窄率はNASCET法およびECST法で算出される.NASCET法:(C-A)/C×100%ECST法:(B-A)/B×100%〔参考文献1)より引用改変〕アテローム粥腫内出血石灰化線維組織020406080100IBS indexplad lm図2 頸動脈プラーク輝度と組織性状の関連左:IBS indexと組織性状との比較.石灰化部位は最もIBS indexが高く,次いで線維組織に富んだ部位のIBS indexが高値である.粥腫に富んだプラークや粥腫内出血を有するプラークのIBS indexは有意に低値である.右:Integrated backscatter(IBS)解析による頸動脈プラーク輝度の半定量的評価.IBS indexは血管外膜(ad),プラーク(pl),血管内腔(lm)のIBS値を計測し,(pl-lm)/(ad-lm)×100として算出した.プラークが低輝度であればIBS index値が低値となるように設定している.〔参考文献4)より引用改変〕