カレントテラピー 31-11 サンプル

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カレントテラピー 31-11 サンプル

Current Therapy 2013 Vol.31 No.11 19頸動脈プラークの診断法1111つあるが,撮影前に専門家が設定を行う必要がある.また特にMRAやプラーク性状診断を行う場合には,体動があると画像構成が不可能となる.Ⅳ CT検査(CT angiography)CT装置の性能が上がり,短時間で撮像できるようになり,高精度な画像が得られるようになった.CT検査による頸動脈プラークの描出には,造影剤を静注しながらヘリカルCTという方法で連続的に断層像を得て,血管を再構築する.分解能は64列MDCTで0.5~0.6mmとされている.3次元的な画像構築が可能であり,MRAのようにどの向きからでも血管を観察することが可能となる.またMRAでは石灰化病変を描出できないが,CT angiography(CTA)では石灰化病変を容易に描出することが可能で,血行再建術の適応がある場合にCEAか血管内治療を選択する場合に役立つ(図7).CTで頸動脈プラークの質的診断を試みるという報告もあるが,石灰化病変以外にはまだ確立はされていない.CTAの最大の欠点は造影剤を用いるという点で,腎機能障害があると検査を行いにくい.Ⅴ 各種モダリティーを駆使した治療戦略頸動脈プラークは日本人にもまだまだ増えてゆくものと考えられ,より早期から評価して治療介入をしてゆくことが必要である.その意味では頸動脈超音波検査は早期病変のスクリーニングに優れている石灰化病変図7 CTアンギオによる頸動脈プラークの石灰化病変高信号低信号図6 MPRAGEによる頸動脈プラークの性状診断高輝度だと粥腫成分が多いとされている.