カレントテラピー 31-10 サンプル

カレントテラピー 31-10 サンプル page 25/32

電子ブックを開く

このページは カレントテラピー 31-10 サンプル の電子ブックに掲載されている25ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
カレントテラピー 31-10 サンプル

Current Therapy 2013 Vol.31 No.10 73治療薬解説1070130/90mmHg)未満の降圧目標が達成できなかった患者1,411人に対して,スピロノラクトン25mg/日を4番目の薬剤として追加投与したところ,収縮期血圧および拡張期血圧が,それぞれ21.9mmHg,9.5mmHg低下した19).この結果に基づいて,治療抵抗性高血圧患者へのスピロノラクトン追加投与が推奨されることになった.トリアムテレンのような抗アルドステロン作用を有しないカリウム保持性利尿薬はカリウム保持のためにサイアザイド系利尿薬と併用され,表1に示したようにOslo研究やMRC高齢者研究のような臨床試験にも用いられてきた.現在ではサイアザイド系利尿薬はRAS阻害薬との併用が一般的であり,頻度は低くなったが,サイアザイド系利尿薬におけるカリウム保持の重要性を認識させたといえる.表3 カリウム保持性利尿薬の特徴スピロノラクトンエプレレノントリアムテレン機序抗アルドステロン作用抗アルドステロン作用アミロライト?感受性上皮型Na チャネル 抑制適応高血圧症(本態性,腎性等)原発性アルドステロン症,うっ血性心不全,腎性浮腫,肝性浮腫,悪性腫瘍に伴う浮腫高血圧症(海外では心不全の生命予後改善のエビデンスあり)本態性高血圧症,腎性高血圧症,うっ血性心不全,肝性浮腫,腎性浮腫降圧薬としての用量1日1回25~50mg 1日1回50mg,最大用量100mg 50mg/日禁忌急性腎不全,無尿,高カリウム血症,アジソン病,タクロリムス,ミトタン投与中高カリウム血症,蛋白尿,微量アルブミン尿を伴う糖尿病,中等度以上の腎機能障害,重度肝機能障害(Child-PughC),カリウム製剤投与中無尿,急性腎不全,高カリウム血症,腎結石又はその既往,インドメタシン,ジクロフェナク,アステミゾール,テルフェナジン投与中副作用等高カリウム血症や低ナトリウム血症,代謝性アシドーシス,急性腎不全,女性化乳房高カリウム血症女性化乳房はスピロノラクトンより少ない.ジクロフェナク,インドメタシンの併用で急性腎不全,腎結石及びその既往歴のある患者ではトリアムテレン結石代謝,半減期,相互作用肝代謝および腎排泄 1.8時間(α)11.6時間(β),ジゴキシン血中濃度上昇肝代謝(CYP3A4)中等度の肝機能障害患者でAUCの増加,半減期5.0時間,CYP3A4活性阻害薬剤は血中濃度を上昇させる.肝代謝および腎排泄 添付文書上半減期に関する記載なしサイアザイドループ作用部位Early segment of DCT Na+/Cl+共輸送体(通常濾過されたNaの5~8%が再吸収)代償的再吸収亢進少ないThick ascending limb of loop ofHenle Na+/K+/2Cl+共輸送体(濾過されたNaの35~45%が再吸収)代償的再吸収亢進作用部位への到達近位尿細管への分泌近位尿細管への分泌作用時間長時間作用(ほぼ24時間) 短時間作用(2~4時間)降圧低用量単独,併用での降圧作用が証明されている機序は不明な点が多い 腎機能正常の本態性高血圧ではサイアザイドに劣る(降圧薬として推奨されない)用量依存性降圧に関しては用量依存性少ない.代謝に関する副作用は用量依存性Na利尿作用は用量依存性腎不全での降圧は用量依存性?K排泄亢進亢進尿酸排泄慢性期には排泄低下(尿細管分泌時の競合,再吸収亢進)慢性期には排泄低下(尿細管分泌時の競合,再吸収亢進)腎不全での使用一般にCr2.0mg/dLを超えると近位尿細管への分泌が障害され無効.血圧コントロールには必要.高用量を用いることがある.表4サイアザイド系および類似利尿薬とループ利尿薬の違い