カレントテラピー 31-10 サンプル page 13/32
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カレントテラピー 31-10 サンプル
22 Current Therapy 2013 Vol.31 No.101019of macronutrients, micronutrients and blood pressure:INTERMAP)の結果より,日本人の食塩の摂取源は,しょうゆ,味噌,食塩,ソースなどの調味料から約40%,食品・加工食品から約40%摂取していることが報告されている(図2)8).本報告は1990年代後半の食事状況を示したものであり,家庭における中食(なかしょく;家庭外で調理された食品を家庭内外で食すこと)の割合が増加している近年,加工食品や調理済み食品からの食塩摂取割合はさらに増加していることが危惧される.次項で紹介するが,2011年に日本高血圧学会では,加工食品の栄養成分表示を現在のナトリウム表示から食塩相当量表示に義務化する要望を消費者庁に提出した9).わかりやすい表示による情報提供により消費者が選択しやすい環境を作ることに加えて,加工食品や調理済み食品に含まれる食塩量を減らすことができれば,中食の増えた現代日本における国民全体での減塩が期待できる.3つ目は学校・職場・病院の給食,レストランなどの外食産業における調理の減塩を促進することである.提供する食事の減塩とともに,メニューの塩分量の表示や,減塩メニューを設置して選択可能にすることなども必要である.2009年に開催した第32回日本高血圧学会総会で減塩弁当を提供し,以後の年1度の学術総会では,毎年趣向を凝らした減塩弁当が提供されている.これは専門家を対象とした減塩給食を普及させた一例である.また,広島県呉市では複数の外食産業において減塩メニューを設置する取り組みが行われている.4つ目は保健・医療専門家による指導・教育であり,医師・看護師・保健師・養護教諭・栄養士・薬剤師などすべての保健・医療専門家の協力を得て,保健・医療の現場において,適正体重・身体活動・禁煙の指導と同様,すべての人を対象に減塩指導を行うことが必要である.日本高血圧学会による教育のための資材として,日本高血圧学会減塩委員会では2007年から5年ごとに『高血圧患者さんのための減塩レシピ』を発刊している.食塩摂取量を1日6g未満,エネルギー摂取量を1,850kcal前後に設定した減塩食レシピで,2012年版では1日3食に加えて弁当のレシピを1週間分収載している(図3)10).Ⅳ おわりにInternational study of salt and blood pressure(INTERSALT)研究により,集団全体の1日の食塩摂取平均値が5.8g減少すると,集団の平均収縮期血しょうゆ20%味噌汁9%食塩(卓上・外食など)9%その他ソース・調味料4%漬物類10%魚(鮮魚・塩干魚)9%汁・つゆ7%パン・麺4%魚練り製品3%肉加工品3%その他魚介類2%ルー(カレーなど)2%その他18%食品,加工食品など,39%調味料,43%図2日本における食塩の摂取源と寄与割合;INTERMAP日本(40~59歳男女計1,145人)(1996~1998年)〔参考文献8)より引用改変〕